近年新たな資金調達の手法として注目されているクラウドファンディング。

国内でも様々なサービスがリリースされており、多くのプロジェクトが立ち上がっている。

しかし実際に利用する際にどのクラウドファンディングサイトを利用すべきか迷ってしまう人も多いのが現状である。

今回は国内のクラウドファンディングサイトをまとめて、どのようにサイトを選ぶべきなのかについて具体的にまとめた。

クラウドファンディングとは「共感者からサイトを通じて資金支援をしてもらう仕組み」

クラウドファンディングとは、群衆(Crowd)から資金を調達(Funding)をしてもらうということから付けられた名前である。

これまでは、新しいサービス・商品を開発したいと思った時の資金調達手段として、銀行やVC(ベンチャーキャピタル)から融資をしてもらうのが一般的だった。

しかし融資を受けるのはかなりハードルが高く、一定の社会的な信用や事業の実績がないと、なかなか上手く資金を集められないというのが難点だった。

・起業したい

・新製品を開発したい

・曲を作ってリリースしたい

・小説を書いて出版したい

など個人単位で良いアイディアを思いついたり、やりたいことがあったとしても、お金がないとなかなか実現するのは難しい。

そこで新たな資金調達手法として、不特定多数の共感者からWebサイトを通じて資金を支援してもらうことで、手軽に資金援助をしてもらえる仕組みが発案されたのだ。

「All in方式」「All or Nothing方式」の2つの方式がある

クラウドファンディングを行う際には、基本的にどのサイトも共通して、

1.All in 方式

2.All or Nothing 方式 の2つの方式が存在する。

All in 方式の場合は、プロジェクトを立ち上げて目標金額を設定し、達成金額に届かなくても、その金額を受け取れるという方式のことだ。

この方式は、下手をすれば、資金を勝手に持ち逃げされてしまうことも考えられる。

そのため、基本的にはプロジェクトの実行を事前に確約していることが条件で、資金が少なかったとしても実行しなければならないケースがほとんどである。

一方でAll or Nothing方式の場合は、サイト上で設定した募集期間内に資金が目標金額に達した場合のみ、資金を受け取ることができる。

目標金額まで達成しなかった場合は、プロジェクト不成立となってしまい、資金を受け取ることができないため支援者に全額返金される。

調達の達成可能性は低いものの、調達の過程を発信していくことで、コアな支援者を得ることもできるため、かえって資金調達しやすいというメリットもある。

クラウドファンディングは昔から積極的に活用されてきた

実はクラウドファンディング自体は、ヨーロッパを中心に昔から積極的に活用されてきた。

17世紀初頭には書籍編集者のジョン・テイラー氏が書籍の印刷代を寄付によって集め、寄付者への見返りとして寄付者の名前を書籍に掲載するという権利提供などを行っている。

他にもニューヨークにある「自由の女神」の台座も、建築資金はクラウドファンディングによって集められた。

実業家のジョセフ・ピューリツァー氏が運営する新聞「ニューヨーク・ワールド」で市民に広く寄付を訴えたところ、6ヶ月で10万ドル近い寄付が集まった。

日本でも東大寺の建設時には、国民に寄付金を呼びかけており、古くからクラウドファンディングでの資金調達は実際に行われていたことが分かる。

クラウドファンディングで資金を集めるメリット

クラウドファンディングで資金調達を行うメリットは主に3つ。

1.プロジェクト初期段階からファンを形成できる

2.お金や信用がなくてもアイデア次第で事業が始められる

3.世間のニーズを知るためのテストマーケティングツールとして使える

特に近年クラウドファンディングが一般化してきたことで、ユーザーのニーズを事前に調べるテストマーケティングツールとしての意味合いも強くなってきている。

それぞれのメリットを理解した上で、クラウドファンディングを通しての資金援助を検討することをオススメする。

プロジェクト初期段階からファンを形成できる

融資による資金調達とは違い、クラウドファンディングは支援者に応援してもらう形で事業を進めていく。

通常であれば、サービスがリリースされてからユーザーに認知してもらい、徐々にファンを増やしていくことが期待される。

しかしクラウドファンディングの場合は、プロジェクトの資金調達段階からファンを形成していくことができる。

初期段階からファンを形成することで、プロジェクトが実際に始まる段階では、すでにコアなユーザーが情勢されているという状態が作れる。

プロジェクトのスタート時からファンを形成できるというのは、大きなメリットのひとつであると言えるだろう。

信用がなくてもアイデア次第で事業が始められる

お金がない状態で事業を立ち上げることは基本的には難しい。

低金利が進む現代において、信用がないと銀行はなかなかお金を貸してくれないのだ。

実際に資金が不足している状態で事業をスタートさせたとしても、スケールしなかったり、うまく回らなかったりすることもある。

しかしクラウドファンディングなら、自分に信用がなかったとしても、アイデア次第で事業を始めることは難しくない。

良いアイデアなら共感者が出資してくれるため、信用のあるなしに関わらず、お金を集めることができる。

お金がなくても、アイデアの質と熱意次第でいくらでもお金は集められるのが、クラウドファンディングにおける最も大きなメリットだ。

世間のニーズを知るためのテストマーケティングツールとして使える

自分は良いアイデアだと思っていても、実際に商品やサービスをリリースしてみたら、全く共感してもらえないということは頻繁に起こることである。

銀行やVCからの融資の場合、実際にリリースしてみたところ、あまり上手くいかず、結果借金だけが残ってしまったということも少なくない。

クラウドファンディングの場合は、目標金額を設定して支援金を募集する仕組みなので、あまり魅力的でないプロジェクトはすぐに立ち消えてしまう。

実際にプロジェクトを立ち上げても、目標金額まで到達せずに立ち消えてしまうプロジェクトが大多数である。

しかしこの仕組みのメリットは、サービスをリリースする前にユーザーの反応を見ることができるということ。

世間のニーズを知るためのテストツールとしてクラウドファンディングを利用する機会も増えてきている。

不特定多数の支援者からお金を集めて、そのアイデアが本当に価値あるものなのかを知る上で、クラウドファンディングは非常に重要なのだ。

クラウドファンディングで資金を集めるデメリット

一方でクラウドファンディングで資金を集める際の主なデメリットは2つ。

支援者とのやり取りが面倒になる場合もある

失敗したプロジェクトはサイトに残り続ける

支援者からお金を集める方式ならではの苦労もあるので注意が必要である。

支援者とのやり取りが面倒になる場合もある

プロジェクトを支援してくれる人がいる以上は、不特定多数の出資者一人ひとりに対して責任が生まれるということ。

大きなプロジェクトであればあるほど、それだけ多数の人にお金を支援してもらうことになるため、やり取りが面倒になることも少なくない。

もちろん1人ずつ必ず連絡を取らなければならない訳ではありませんが、プロジェクトを進めていく上で横から口出しされることもあるだろう。

プロジェクトにもよるが、あまり気持ちよく進められないこともあるため、注意が必要である。

失敗したプロジェクトはサイトに残り続ける

All or Nothing形式で支援金を募り、目標金額まで到達することができないこともあるだろう。

サイトにも失敗したプロジェクトはサイトに残り続けるため、あなたが失敗した記録はそのサイトに残り続ける。

もちろんいずれかは削除されるが、一定期間はそのサイトに残ることがほとんどなので、失敗する場合のリスクも考えておくべきだろう。

クラウドファンディングは5種類に分けられる

実はクラウドファンディングには大きく分けて5種類の型が存在する。

今回は5種類のクラウドファンディングについて、各々を具体的に解説している。

購入型

最も代表的なのが「購入型」のクラウドファンディングである。

購入型の場合は、支援者はお金を支援することで、支援した金額に応じてリターン(商品やサービスなど)を得ることができる。

リターンは必ず金銭以外で、プロジェクトに応じて、個性的なリターンを得ることができる点が大きな強みだと言えるだろう。

寄付型

寄付型のクラウドファンディングの場合、支援者は資金をプロジェクトに寄付する形になるため、ほとんど募金と同様の出資になる。

主に災害による被災者支援や難民支援など、社会貢献性のあるプロジェクトを立ち上げる場合に多い形式であるため、基本的にリターンは得られない。

ただ寄付を行った地域や人から活動報告やお礼のメッセージが届くこともあり、支援することで貢献性を感じられるのは大きなメリットである。

融資型

資産運用などが目的の人向けなのが、融資を受けたい会社と不特定多数の個人をマッチングする融資型のクラウドファンディングだ。

Web上で融資したい個人から小口で資金を集めて、その金額をまとめた上で企業やプロジェクトに出資するという形式である。

基本的には募集の時点で利率が決まっていることに加えて、低リスクでリターンを期待できるので、小さく資産運用を始めたい方にもぴったり。

リターン目的でクラウドファンディングを活用したい方に非常にオススメの手法である。

ファンド投資型

ファンド投資とは、複数の投資家から集めた資金を使って投資を行い、そのリターンを分配する仕組みのこと。

クラウドファンディングのファンド投資型に関してもほぼ同様で、出資者は事業やプロジェクトに対して出資し、社会貢献性の高い事業を行う形である。

ファンド投資型と融資型の違いは、ファンド投資が事業の売上に基づいてリターン額が決定されるのに対し、融資型は元本+利息でリターンを得ることができるという点。

つまりファンド投資型の場合は、売上目標に届かないと元本割れするリスクもある。

ただ金銭的なリターンだけではなく、事業によって生産されたモノやサービスを受け取れることも多いため、小規模の新興事業に投資できるサイトが多い。

株式投資型

株式投資型の場合は、事業を行う企業の非上場株式に対して出資する形式のクラウドファンディングである。

一般的な株式投資でいう「未公開株」であるため、個人が運用するにはかなりリスクが高くなる。

上場企業の株式投資を行う場合は、かなり業績が安定しているため、よほどのことが無い限り資金が回収できないということはない。

しかし未上場企業(多くはベンチャー)の株主になるということは、一度出資すれば、上場するか買収されない限りは資金回収が難しいというデメリットがある。

上場や買収などのタイミングで大きな利益を期待できる一方で、かなりリスクが伴うため初心者向けではないということも覚えておくべきだろう。

失敗しないクラウドファンディングの選び方

クラウドファンディング選びで失敗しないためには、主に3つのポイントを意識することが重要である。

自分の目的に沿ったサイトを利用する

事業とマッチしたジャンルを選ぶ

サポート内容を把握する

自分の大事なお金を無駄にしないためにも、失敗しないクラウドファンディング選びができるように工夫が必要だ。

自分の目的に沿ったサイトを利用する

まず自分がどのような目的でクラウドファンディングを行いたいのかによって、選ぶべきサイトも大きく異なる。

先述したように、クラウドファンディングにも方式や種類などがサイトによって全く違う。

例えばファンド型や株式投資型のクラウドファンディングだと、まだあまり一般化していないため資金が集まりにくいという懸念もある。

もしすぐに資金を集めたいなら、ユーザー数も多そうな購入型や寄付型のクラウドファンディングサイトでプロジェクトを立ち上げるべきだ。

また資金の集め方も「All in方式」にするのか「All or Nothing方式」にするのかで違いは大きく出てくる。

自分の目的に沿うような資金が集められるかどうかも、サイトを利用する上で非常に重要なので注意が必要である。

事業とマッチしたジャンルを選ぶ

クラウドファンディングサイトも、業種やジャンルによってカテゴリ分けされていることが多い。

例えば「3rd Table」というサイトは、飲食系に特化したクラウドファンディングサイトである。

自分が飲食店を立ち上げたいのであれば、このサイトでプロジェクトを立ち上げた方が、ニーズに合う支援者が多いので、資金を集めやすいはずだ。

他にも音楽系・アート系など様々なジャンルのクラウドファンディングサイトがあるため、自分のプロジェクトにマッチしたジャンルを選ぶように心がけよう。

サポート内容を把握する

初めてクラウドファンディングを行うのであれば、事前にサイト側のサポート内容を把握しておいた方が良いだろう。

クラウドファンディングで資金調達を成功させるためには、何よりもプロジェクトを多くの人に認知してもらうことが最重要。

サイトによっては、ページの作り方やPRの方法などをサポートしてくれるサイトもある。

サポートが手厚くなることによるメリットも大きいので、初心者の方は特に細かくチェックしておくようにしよう。

【種類別】オススメのクラウドファンディングサイト15選!

今回は先述したクラウドファンディングサイトの5種類別に15サイトを紹介している。

それぞれサイトごとに、特徴のあるサービスであるため、自分のニーズとマッチしたサイトはどれなのか検討してみると良いだろう。

購入型

CAMPFIRE

手数料12%+決済手数料5% = 17%

国内で最大級のクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」は、年間支援プロジェクト成立数国内No.1のサイトである。

日本のクラウドファンディング業界の中でも先駆者で、2011年の東日本大震災の年からサービスを開始。

当時としては革新的なサービスだったため、寄付する際の新たなチャネルとして使われる機会が増加し、ユーザー数が一気に飛躍した。

現在はビジネスから音楽、アートの分野に至るまで、プロジェクトは幅広く、決済方法も豊富であることから非常に人気が高い。

Makuake(マクアケ)

手数料20%

インターネット広告大手のサイバーエージェントの子会社「Makuake」が運営するサイトで、東証マザーズにも上場している。

独自の市場分析ツールやメディア掲載数が5,000件以上の実績なのが大きな強みで、PR力に長けているという特徴もある。

3rdTable(サードテーブル)

手数料12%+決済手数料5%=25%

飲食業界に新しく挑戦したい人を支援しているクラウドファンディングサービス。

運営元は日本最大級の実名型グルメサービスの「Retty」で、飲食店とファンの新しい「つながり」をつくるためのサービスとして人気を集めている。

自身で飲食店を立ち上げたい方は、必ずチェックしてほしいプラットフォームだ。

寄付型

Ready for

手数料7%+決済手数料5%=12%(シンプル)、手数料12%+決済手数料5%=17%(フルサポート)

CAMPFIREよりも早い2011年3月に設立された、日本初のクラウドファンディングサイト「Ready for」。

完全に寄付型のサイトではないものの、社会貢献性の高いプロジェクトが多く、寄付型のクラウドファンディングサイトとして知名度も高いのが特徴である。

手数料も他のサイトと比較して安価なのも、事業者からすると嬉しいポイントではないだろうか。

Good Morning

手数料4%+決済手数料5%

Good MorningはCAMPFIREから分社して運営されている、社会問題解決プロジェクトに特化したクラウドファンディングサイト。

ソーシャルグッドなサービスに特化したプラットフォームで、社会問題と向き合う人のクラウドファンディングをサポートしている。

社会問題の解決目的でプロジェクトを立ち上げたい方にオススメのクラウドファンディングサイトである。

FAAVO(ファーボ)

手数料20%

FAAVO(ファーボ)もCAMPFIREが元となって運営している地域に特化したクラウドファンディングサイトだ。

全国各地にあるプロジェクトを掲載しており、地域のまちづくりや成し遂げたいことなどを支援している。

かなりコアな地域のプロジェクトも進行しているため、地域で何か立ち上げたい方にはオススメ。

融資型

OwnersBook

手数料は融資額によって変動

国内初の不動産案件に特化したクラウドファンディングサイトの「OwnersBook」。

初心者としては手を出しにくかった不動産投資をクラウドファンディング化したことで非常に人気を集めている。

利用者内での情報交換も可能で、手数料も割安で投資できるため、不動産に興味がある人は少額から投資してみると良いだろう。

CrowdBank

手数料は借入額によって変動

アジア圏やカナダ・欧州などの不動産ファンドを取り扱っているソーシャルレンディングサービスの「CrowdBank」。

最近はTVCMも積極的に流しており、不動産担保型ローンファンドの他にも、様々なファンドを用意している。

maneo

手数料20%以下

国内初の融資型クラウドファンディングサイトとして運営されてきた「maneo」。

他の融資型サイトとは異なり、借入先の企業スキームなど詳細情報を確認できるのが大きなメリットである。

ファンドが満額に達しない場合は、顧客に全額返金する仕組みなので、基本的にはAll or Nothing型の投資なのが特徴的。

ファンド投資型

セキュリテ

手数料は売上によって変動

「セキュリテ」は社会的な価値創出をコンセプトに運営している投資型クラウドファンディングサイト。

基本的に社会貢献性が高いプロジェクトが多く、森林保全や貧困解決などのプロジェクトも起案されている。

ただ形式がファンド型であることには変わりないので、運用にはファンドごとに手数料がかかってしまう点は考慮すべきだろう。

Sony Bank GATE

手数料記載なし

ソニー銀行と提携している「Sony Bank GATE」は、資産運用×共感・応援をコンセプトにしている投資型クラウドファンディングサイト。

口座開設や分配金の受け取りに際する手数料は不要なのも、出資者からすれば嬉しいポイントである。

KAIKA

手数料記載なし

「KAIKA」は山口県・福岡県・広島県を中心に挑戦している人を応援するクラウドファンディングサイト。

地域創生や店舗の展開などを主な支援目的としており、3県に関わるプロジェクトに特化しているファンド型のサイトである。

株式投資型

FUNDINNO(ファンディーノ)

手数料は株式発行総額の20%

日本初の株式投資型クラウドファンディングサイトである「FUNDINNO」は、1万円〜という少額で投資できる点が大きな魅力である。

株式投資の権利行使期間は7年で、期間内に上場・M&A・解散などが行われない場合は、投資額=損失額となってしまうので注意が必要だ。

CAMPFIRE Angels

手数料は投資金額の8~20%

CAMPFIREが運営している株式投資型のクラウドファンディングサービスで、将来性のあるスタートアップに投資できる

エンジェル投資家としてスタートアップを応援できるというメリットはあるものの、倒産のリスクも大きいので慎重になる必要がある。

GEMSEE Equity

手数料記載なし

「GEMSEE Equity」は、SBIグループが運営している株式投資型のクラウドファンディングサイト。

他2サイトと比較すると実績こそ少ないものの、大手SBIグループのサービスというだけあって一定の期待度もある。

まとめ:クラウドファンディングサイトは目的・ニーズに合うものを選ぶべき

クラウドファンディングは、日本でも今後ますます伸びていくであろう出資方式である。

最近はテストマーケティング手法として使われる機会も多く、事業の成功可能性を見極める時にも利用しやすいのがメリットだ。

数々あるクラウドファンディングサイトの中でも、必ず自分がやりたい事業に沿ったサイトは存在する。

効率よく資金調達できるよう、本記事を参考にして立ち上げたいサービスの目的やニーズに合うサイトを選定してみてはいかがだろうか。