ビットコインは今年にはいってからも、多くの批判や攻撃にさらされてきた。

今年出た特大のマイナス材料を挙げてみよう。

  • わずか1年前には世界の仮想通貨取引量の90%以上を占めてい中国市場で、仮想通貨取引が禁止
  • JPモルガンチェースの最高経営責任者(CEO)は、ビットコインを詐欺行為と何度も断罪し、ビットコインを所有する実の娘をバカ呼ばわり
  • 8月1日のビットコイン・キャッシュ分岐
  • 11月に予定されているSegWit2xハードフォーク

にもかかわらず、ビットコイン価格は年初から6倍もあがっている

 

ビットコイン「バブル」はもう何度も崩壊している

確かに、ビットコインは今年1月、7月、9月にそれぞれ30%以上、複数回クラッシュしている。 しかし、毎回、力強くカムバックを果たし、現在7000ドル以上で推移している。主流なジャーナリスト達も次第に、なぜこの仮想通貨が攻撃を受けるたびに強くなってきたのかと考えるはずだが、残念ながらジャーナリスト達は既成概念を覆す情報やデータを認められない。したがってビットコインはバブルである、と結論付けてしまうというバイアスに囚われてしまっている。

Bircoin Price Since January 1, 2017

ビットコインは、バブルが崩壊するたびに、いかに弾力性がある仮想通貨であるかを示してきた。ビットコインは脅威にさらされるたびに、ナシム・タレブ(Nassim Taleb)が著書「反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」(17年6月ダイアモンド社)で提唱した概念、Antifragility(大きな衝撃や変化、混乱が起こった時に多大なる利益を上げられること)を実証、頑強なだけでなく、障害や不安定性からむしろ強さを得る仮想通貨と認識されるようになった

現状維持を望む既得権益派がビットコインを攻撃すればするほど、人々はビットコインを止めることは誰にもできないことを理解するようになる。

世界中に数千のビットコインのコアノードがあり、そのうちの1つのノードさえあればビットコインは生き続けられる。これは分散システムがどれほど強力であるかを示している。

 

時代の流れがビットコインを味方している

世界最大のオプション取引所 である米CME グループが、ビットコイン先物契約の上場を開始する予定だ。この第一歩は、個人投資家に市場を開放するETFなどの金融商品の道を開くだろう。

各国経済のビットコイン化もすでに始まっている。ベネズエラでは、最近では同国への唯一の送金手段がビットコインとなっている。ジンバブエでは、厳しい通貨危機のため、ビットコインは1万ドル(約100万円)以上で売買されている。ビットコインは早々と21世紀の資産の安全な避難所になりつつある。数秒でどの国にも出入りするなど他の資産では不可能だ。

もちろん、ビットコインはまだ多くの浮き沈みを経験するだろうし、道のりはけわしく、どんな結末がまっているかもわからないが、ものすごい旅路になるのは間違いないだろう。

 

著者略歴: ビンセント ローネイ (Vincent Launay)はワシントンDCにある世界銀行本部のインフラストラクチャーファイナンス専門家。 パリのHECから金融の修士号、及びCFA資格を取得。本記事の見解と解釈は彼個人のものであり、必ずしも世銀やコインテレグラフの見解を反映するものではない。