スクウェアエニックスなどが出資するブロックチェーンゲームの「ザ・サンドボックス」は9月23日、ユニバーサルミュージックの元幹部バートランド・レヴィー氏が同社に加入したことを発表した。

レヴィー氏は、ユニバーサルミュージックのブランドパートナシップ部門で副代表を務めていた。音楽業界ではユニバーサルミュージックを含めて15年の経験があり、世界初の合法的な音楽ダウンロードサイトであるecompil.comを立ち上げた他、マクドナルドやサムスン、BNPパリバなどとユニバーサルミュージックとの提携の立役者だったという。

ザ・サンドボックスは、同氏の経験を活かしてザ・サンドボックスと大手エンタメ企業や芸能人、アーティストなどとの提携を進める狙いがある。すでに日本のスクウェアエニックスやアタリなどを含む50社と提携している。今月16日にはコインチェックがザ・サンドボックス内で利用可能なNFT(ノンファンジブルトークン)をコインチェックのNFTマーケットプレイスで取り扱うと発表した。

ザ・サンドボックスは、イーサリアム上に構築された分散型の仮想世界。プレイヤーはボクセルで特徴づけられるゲーム体験を自分たちの手で構築し、さらにマネタイズができるようになる。

ブロックチェーンを使って、ゲームの所有権をゲーム会社からプレイヤーに移動させる試みとして注目されている。

ゲーム内のキャラクターやアイテム、土地、家、ゲーム自体は、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)として取引される。NFTは、非代替トークンのことであり、ビットコインなどの仮想通貨と異なり1つ1つのトークンが固有の価値を持つ。プレイヤーに対して「本物のデジタル所有権」を与えるトークンとして注目される。

SANDは、イーサリアム規格のERC20トークンであり、ザ・サンドボックスのプレイヤー、開発者などの取引に使われる。

ターゲットなるゲームカテゴリー

ザ・サンドボックスによると、世界のゲーム市場規模は2025年までに1719億ドル(約17兆9000億円)に到達する。とりわけザ・サンドボックスが狙いを定めるスマホは今後数年間の年平均成長率が7.3%を超える見通しだという。

ザ・サンドボックスは、「ユーザーが作るコンテンツゲーム」のカテゴリーでマインクラフトやロブロックスと競う計画だ。マインクラフトは過去5年間ユーザー数が年間平均で30%以上も増やした。ロブロックスは1日あたりの売り上げで2018年1月時点で米国のiPhoneゲームアプリランキングの6位につけていた。

ザ・サンドボックスは、上記カテゴリーに「創作物の所有権と自由に売買する権利、ザ・サンドボックスや他のゲームプラットフォームで使う能力」という新たな特徴を持ち込めことで差別化を図れるとみている。