eスポーツのようなデジタルネイティブなエコシステムがブロックチェーン技術と相乗効果を発揮し続けることによって、「ファンタジースポーツ(Fantasy Sports)」のような業界でブロックチェーン技術が大量採用される可能性がある。

ファンタジースポーツとは、現実世界に実在するスポーツ選手を自分で選び、架空のチームを構築するとういものだ。選手の試合でのパフォーマンスによってポイントが加算され、そのポイントの合計を競う形となる(ポイント獲得で上位となると賞金が手に入る)。

仮想通貨(暗号資産)調査会社のメサーリが新たに発表したレポートの中で、リサーチャーのメイソン・ニストロム氏は、新型コロナウィルス(COVID-19)によって、ファンタジースポーツが急成長する準備が整ったと主張している。同氏は、ブロックチェーン基盤のアプリケーションが急速に拡大するこの市場でのファンのエンゲージメントを高めるのに役立つ可能性があるとも述べている。

「eスポーツと仮想通貨ネットワークは新しい技術と5G接続による改善を待っている一方、ブロックチェーン基盤のファンタジースポーツは消費者に採用される準備ができている」と、ニストロム氏は指摘している。

レポートでは、PwCの調査を引用して、ファンタジースポーツの分野が今後3~5年で7.2%の成長が予想されると述べている。2018年の調査によると、伝統的なスポーツで賭けを楽しむ人の75%がファンタジースポーツをプレイしているとのデータもあり、この分野への成長が期待できるという。

ファンタジースポーツの場合、ゲームの結果に賭ける従来のスポーツ賭博とは異なり、ファンタジー(架空)のチームを編成し、他のチームとの間で賞金を巡ってポイントを争う形になる。

新型コロナの流行により観戦者からの収入が大幅に減少する中、スポーツ体験をデジタル化する必要性が非常に重要となっている。大規模な観客を動員するようなことは少なくとも2022年までは無理な可能性が高いため、スポーツ業界はエンゲージメントを強化する新しい方法を模索している。2018年に米最高裁がスポーツ賭博解禁を決定したことに伴い、このようなエンゲージメントの手段の1つになる可能性がある。

ブロックチェーン基盤のアプリケーションは、デジタル所有権と収益化の基盤として使用することができ、イーサリアムのようなプラットフォームは高レベルの信頼性を提供できる。メサーリによると、現時点でのデメリットはユーザーエクスペリエンスが低下することだという。

ブロックチェーン上に構築されたファンタジースポーツのゲームは、実際のアスリートのパフォーマンスに基づいて表面上の価値が上がる、ノンファンジブルトークン(NFT)を販売することで運営することができるだろう。

仮想通貨を使ったファンタジースポーツ(SorareやMLB Champions、NBA Top Shot)では、既に1000万ドル以上の売上を記録している。SorareとMLB Championsはイーサリアム上に構築されており、NBA Top Shotはflowブロックチェーン上に構築されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン