イーサリアムのマージが間もなく行われる予定だ。エネルギー効率に焦点を当てたプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行が仮想通貨の投資と採用に大きな影響を与えるだろうと、専門家は予想している。

スタークウェアの社長兼共同創業者のエリ・ベン-サッソン氏は、イーサリアムのマージは「イーサリアムの非常に広範な普及につながるプロセスの最初のステップになるとコインテレグラフに語った。

「マージの直接的な重要性は、エネルギー消費に対する劇的な効果である」

マージでは、任意の数学的パズルを解くために大量のエネルギーを必要とする現在のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)に比べて、イーサリアムのエネルギーが99.95%削減されると予想されている。

ベン-サッソン氏は、一般市民が生活のさまざまな分野でブロックチェーンベースのアプリを使うようになり、「現在の人々がスマートフォンのアプリを使うのと同じくらい自然に」使うようになるだろうと考えている。

仮想通貨取引所Coinjarのアッシャー・タンCEOは、マージは仮想通貨を取り巻く物語をより広く変えることになると述べ、テクノロジーセクターが「エネルギー強度の大幅な削減を実行する」ことは非常に珍しいと指摘している。

「マージ後のエネルギー使用量99.95%減の意義は過小評価されていると思う」とタン氏は言う。

「イーサリアムのネットワークがより一般に受け入れられやすくなり、これまで二酸化炭素排出量の問題から仮想通貨を敬遠していた投資家や企業にも門戸が開かれることになる」

イーサリアムの移行については楽観視されているものの、マージがすでにイーサ(ETH)価格に織り込まれているかどうかについてはまだ議論がある。

仮想通貨取引所Bybitのクリプトインサイト責任者であるチャーミン・ホー氏によると、同社のアナリストは、機関投資家やマーケットメーカーの間では、マージ周辺の短期売買に関して「コンセンサスがない」と結論付けており、しかし将来的にはETHを蓄積してホドラーになる可能性が高いとしている。

一方、イーサリアムの「バブル」の中では、マージが成功するかどうか、ほとんどの人が気にしていないようだ。

イーサリアムの共同創設者であるジョセフ・ルービン氏は、ブルーバーグに対し、PoS移行は開発者やユーザーにとってほとんど混乱がなく、「iPhoneやノートパソコンが一晩でOSをアップグレードしたかのようにスムーズ」であるとの見方を示した。ルービン氏は、自身の見解として、これは仮想通貨空間において、ビットコインとイーサリアムの開発に次ぐ3番目に重要なイベントであるとしている。

StarkWare社のベン-サッソン氏は「イーサリアム財団はこの瞬間のために非常に綿密に準備しており、非常に自身を持っている」と指摘し、移行がスムーズに行われると見ている。

「プルーフ・オブ・ステークによって最初のブロックが生成されたとき、それは重要な成功の印になるだろう。しかし、これはロケットの打ち上げが完了したようなもので、私たちにはまだ残りの旅があり、そこには困難が待ち受けている」