Google検索で「メタバース」というキーワードへの関心が急落している。しかし、誇大広告が薄れつつあるとはいえ、企業は依然として仮想世界に足を踏み入れることに強い意欲を持っているようだ。

3月だけでも、海外顧客とのオンラインミーティングや社内イノベーションの拠点、ユーザーとのソーシャルコミュニケーションの強化に利用されるメタバースオフィスの建設を開始、またはその計画を明らかにした企業がある。

私たちはその初期段階を目撃しており、メタバースオフィスは仕事の未来なのかもしれない。そこで、最近メタバースに参入した企業をいくつか紹介しよう。

イベント会社アトム

ムンバイを拠点とするイベント会社アトム(Atom)はこのほど、メタバースオフィスを設立した。同社はディセントラランドのデジタルスペースを購入し、バーチャルオフィスを海外の顧客にアプローチする新しい方法として利用する予定。また、将来的にはメタバースのイベントにも利用するという。

アトムのクリエイティブ責任者であるYash Kulshreshtha氏は、今回のオフィスの狙いは、同社のグローバルな事業展開と若い世代への対応だとインタビューで語っている。「今育っている若い世代は、完全に自然に感じるだろう」とKulshreshthaは語った。

仮想通貨取引所KuCoin

仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)は、ブロックトピア・デジタル・スペースをベースにしたオフィスを立ち上げた。プレスリリースで、同社が立ち上げたクーコイン・メタ・オフィスは、訪問者に没入型のメタバース体験を提供し、インタラクティブなソーシャルコミュニケーションにアクセスすることを目的としている。

ジョニー・リュウCEOは、このマイルストーンはメタバースとブロックチェーンに採用をもたらすのに役立つと述べている。「クーコインはメタバースとブロックチェーン技術の応用シナリオを模索している」とリュウ氏は述べた。


建築設計事務所ビャルケ・インゲルス

著名な建築設計事務所ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)は、メディア企業ヴァイス・メディアのクリエイティブ・エージェンシーであるバーチュー・フューチャーズと共同で、ディセントラランドにある新しいメタバースオフィスを設計した。「Viceverseオフィス」と名付けられたこのデジタル空間は、ヴァイス・メディアの従業員の拠点となる予定だ。

バーチュー・フューチャーズの幹部であるモルテン・グルバック氏は、インタビューの中で、このオフィスを「実験的な遊び場」と表現。グルバック氏によると、このオフィスでは、ノンファンジブルトークン、自律分散型組織、Web3などの実験ができるそうだ。

サイアム商銀子会社SCB 10x

タイのサイアム商業銀行のベンチャー子会社であるSCB 10xは、ザ・サンドボックスを拠点とするバーチャルオフィスを立ち上げる計画を明らかにした。発表によると、このオフィスは2022年後半に開設され、世界のビルダーコミュニティとつながるために利用される予定だ。

このデジタルオフィスでは、コミュニティとのつながりのほか、イベントへの参加、製品のデモンストレーション、ユニークな造形の環境などを見学できるようになる。