日本時間5月27日の早朝、ビットコインが突如動き出した。それまで8000ドル付近で動いていたビットコインだが、4時過ぎから急騰し1時間ほどで8%以上上昇。現在は8900ドル付近で推移している。年初来高値を更新した。ただ、大規模な調整が起きる可能性を指摘するベテラン・トレーダーもいる。

(出典:TradingView「ビットコイン/米ドル(1日)」)

欧米ではまだ日曜日の時間帯に起こった今回のビットコイン急騰。普段は様々な説を展開する海外アナリストやメディアもまだ理由を見つけられていないようだ。ただ、最初にこのビットコイン急騰を消化するアジア人投資家たちがどのような反応をするか注目するは相次いでいる。

去年のビットコイン下落率をほぼ的中させたベテラントレーダー、ピーター・ブラント氏は、先ほどツイートして「FOMOフェーズの上昇だ」指摘した。

FOMOとは、Fear of Missing Out、つまり「取り残されることへの恐怖」を意味しており、価格がある一定の水準に到達すれば、それまで静観していた投資家相場に戻り、価格を一層押し上げる現象だ。ただ、内容を伴っていない上昇と見られることもある。

ブラント氏は、「すでに売りつくした強気派の大多数が抵抗をやめて今回の上昇に乗っかり始めたら大幅な調整が起きるかもしれない」と予想している。

【関連記事:仮想通貨ビットコイン急騰 2015年強気相場の前と同じ動き?

FOMOがいつ起きるか、仮想通貨市場での関心は高い。

米調査会社ファンドストラットのトム・リー氏がツイッターで行なったアンケートによると、1万ドルからFOMOが起きるという予想が一番高かった。

【関連記事:「取り残されることへの恐怖(FOMO)」を仮想通貨投資で感じるのはいつ?米ビットコイン強気派が投票開催

4月始めや5月の第2週の週末で高騰したビットコインについて、今後、調整やプルバックがあるだろうと見る専門家は多い。

米格付け会社ウェイスレーティングのアナリストが、現在の仮想通貨相場はまもなく激しいプルバック(利益確定などで相場が一時的に反対方向に動くこと)を迎えることになるだろうと予想。またニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の仮想通貨トレーダーは、ビットコインは7000ドルまで下がった後、保合いになるとみている。

【関連記事:仮想通貨ビットコインにプルバックの可能性も「歴史的に最高の買い機会」【米格付け会社リポート】
【関連記事:「ビットコインは7000ドルまで下がって保合いになる」米NYMEXの仮想通貨トレーダーが予想