ビットコイン(BTC)の過去最高値は2017年につけた2万ドルであることは周知の事実だ。だがメサーリ共同創業者のライアン・セルキス氏によると、ほとんどのビットコインは2万ドル近くで実際はトレードされていなかった

一体どういうことか?

セルキス氏は、ニュースレターの中で、「推定コスト基準(The estimated cost basis)」という概念を紹介。この基準によるとビットコインは6000ドルにも到達していない。

(出典:Messari 「ビットコイン価格と推定コスト基準」)

コスト基準は、「その資産が入手された時のオリジナル価格」を意味する。どの価格がその資産にとって損益なし(ブレークイーブン)の水準を示す。

コスト基準の計算式は、実現時価総額を総供給量で割ること。”実現”時価総額は、それぞれのコインを「最後に動かされた時(すなわち、2つの異なるアドレス間で移動した時)の価値」で測る。例えば、あるビットコインが最後に動かされた時が2017年だった場合、現在の価格(例えば9500ドル)ではなく当時の価格(例えば2500ドル)で計測する。

セルキス氏によると、ビットコインは最も高い「総合損益計算書(P&L)」の1つだ。推定コスト基準によると、1万ドルより上でビットコインはほとんど取引されていない。「実際、トレード日数の4.5%しかビットコインは1万ドルを超えていない」と指摘した。言い換えれば、過去最高の2万ドル付近でビットコインを取引したトレーダーはほとんどいなかったことになる。

ほとんどのXRP投資家は赤字?

対照的に過去最高値付近で多くの取引が行われたのがXRPだという。

XRPの2131のトレーディング日数のうち2.1%でしか1ドルを超えていないにも関わらず、XRPの推定コスト基準は1.38ドル。セルキス氏は、「ほとんどのXRP投資家はかなりの赤字となっていることを示している」と分析した。