静かな値動きが続いていた仮想通貨相場だが、11日ビットコイン(BTC)を始め主要仮想通貨が急落した。この背景には米株の急落をはじめとする世界的なリスクオフ(※)ムードがあるという見方が出ている。
執筆時点までの24時間でビットコイン(BTC)は4.74%、イーサリアム(ETH)は約9%、リップル(XRP)も約9%下げている。
世界的なリスクオフ
マネックス仮想通貨研究所の所長である大槻奈那(おおつきなな)氏は、「今年2月の暴落の再来で世界的なリスクオフの流れが最も端的に表れている」と指摘。「低金利で運用利回りが低い中、借入をするなどレバレッジをかけてリスク量をパンパンに膨らませていた投資家たちが、金利上昇リスクを機に降り時を模索し始めて、過敏に反応している」と分析した。
大槻氏は、2月に世界の株式市場が1週間で10%近く急落した際も仮想通貨市場の大暴落との関連性を指摘していた。
ただ、今回の反応は過剰なので中長期的には揺り戻しもあるとみている。
パラボリック転換か?
既報のとおり前日の10日には相場の転換点を示すテクニカル指標のパラボリックに変化があった。
(引用元:Bitflyer 「日足のBTC/JPY」)
上昇トレンドにある中では、パラボリック(黒い点)はローソク足の下にあるが、下落トレンドの中にある時はパラボリックはローソク足の上にある。上記図からわかるように、9月21日からは上昇トレンドが続いていたが、10日になってパラボリックはローソク足の上にきており、下落トレンドへの転換を示唆していた。
今月初めにビットコイン(BTC)のボラティリティ(価格変動幅)が17ヶ月ぶりの低水準をつけたものの、相次いで機関投資家が参入するというニュースが伝えられていた。
※リスクオフとは見通しの不透明さなどを投資家が嫌い、より安定性の高い資産へ避難する状況のこと。