米国仮想通貨の規制に詳しい弁護士ジェイク・チャービンスキー氏は、ビットワイズのビットコインETFがSEC(米証券取引委員会)に承認される確率は0.01%と予想した

承認確率は「0.01%」

ヴァンエックらがビットコインETF申請を取り下げたことを受けて、チャービンスキー氏は、残されたビットワイズのビットコインETFの方が通りやすいと考える理由はほとんどないと発言。SECは「規制された大規模なビットコイン市場はどこにもない」という立場を示しており、ヴァンエックやビットワイズにとって「情報を共有する監視体制」を構築することが困難であることが大きな理由であると述べた。

同氏によると、ヴァンエックらとビットワイズは、SECの価格操作に対する懸念に対して「監視体制」というより「改善された価格メカニズムの使用」で対応しようとしていた。しかし、ヴァンエックらが今回ビットコインETFを取り下げた背景には、「おそらく代替案ではSECが満足しないと確信したことがある」。このため、同様の手法を取るビットワイズが合格する理由は限りなく小さいという。

チャービンスキー氏は、残されたビットワイズのビットコインETFが承認される確率は0.01%だろうと予想した。

SECによる最終判断の期限は10月13日だ。

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なぜ「拒否」でなく「取り下げ」を選んだ?

仮にSECに拒否されるという結果が明白であったとしても、なぜヴァンエックらは「拒否」ではなくて「取り下げ」を選んだのだろうか。

チャービンスキー氏は、拒否という判断はSECが将来に再び検討する際の「前例」となってしまうと解説。「悪い前例は、承認へのハードルをさらに上げることになる」と述べた。

また、創・佐藤法律事務所のパートナーで仮想通貨に詳しい斎藤創弁護士は、コインテレグラフ日本版に対して、「正式に拒否との結果を受けるより、自主的に取り下げたほうが再申請など今後の展開がしやすいと考えたのかもしれない」と話した。

一方、ザ・ブロックによると、ビットワイズのテディー・フサーロCOOは、「ヴァンエックらの取り下げに驚きはない」とし、ビットコインETF承認に向けて今後も努力を続けていくと前向きな姿勢を示した。

チャービンスキー氏は、「取り下げ」ではなくて「拒否」を選ぶことで、なぜSECが拒否したのか記録に残すことができるというメリットもあると解説している。