スイスを拠点とする仮想通貨プロジェクトのテゾス財団は14日、17日にメインネットを立ち上げるとツイートした。昨年7月に巨額ICOをして以来、テゾスはハードフォークに頼らないシステム修正を目指す新たな仮想通貨として注目されたてきたが、内紛や集団訴訟問題などがあり、プラットフォームの立ち上げが遅れていた。
テゾスは、2017年7月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を開始、当時のレートで約2億2300万ドルに相当する6600ビットコイン(BTC)と361000イーサリアム(ETH)を調達した。しかし、テゾス関係者は後日、資金が「払い戻し不能な寄付」になる可能性があると述べていた。
ICOの後、テゾスの知的財産権を所有する共同創設者のアーサー・ブレイトマン氏とキャスリーン・ブレイトマン氏と、調達した資金を管理していたテゾス財団のヨハン・ジュベール代表の間で内紛が起こった。これにより、プラットフォームの立ち上げが無期限で延期され、一連の訴訟問題に発展。6月にようやくベータネットワークの立ち上げにこぎつけた。
また資金調達を以来、テゾスは米国証券取引委員会(SEC)の規則順守を巡って厳しい調査の対象となり、複数の訴訟も起こされている。訴訟は、テゾスのトークンが米国の法律の下で証券に当たるため、米国の投資家に合法的に販売されるには証券取引委員会に登録される必要があったと主張している。また6月に、特にICOに参加しようとする人を含む寄付者に対する顧客確認(KYS)及びアンチマネーロンダリング(AML)の実施を発表したものの、コミュニティの反応は、否定的だった。
本稿執筆時点では、テゾス(XTZ)は1.54ドル前後で取引され、時価総額は約9億3300万ドルである。