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テザーの財務健全性懸念が再燃 コインシェアーズのアナリストは「杞憂」と反論

テザーの財務健全性懸念が再燃 コインシェアーズのアナリストは「杞憂」と反論
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ステーブルコイン発行企業テザーの財務的な安定性をめぐる懸念が今週あらためて浮上した。きっかけは、ビットメックス創業者アーサー・ヘイズ氏が、準備資産の価値が下落した場合に同社が深刻な問題に直面する可能性を警告したことだ。しかし、コインシェアーズのリサーチ責任者であるジェームズ・バターフィル氏は、こうした主張に反論している

バターフィル氏は最新のマーケットアップデートで、テザーの支払能力に対する懸念について「杞憂だ」と述べた。

同氏は、テザーの監査報告を引用し、同社が約1744億5000万ドルの負債に対して1810億ドルの準備資産を保有しており、約68億ドルの余剰があると指摘した。

「ステーブルコインのリスクを軽視すべきではないものの、現状のデータはシステム的な脆弱性を示していない」と同氏は記した。

テザーは依然として業界でも屈指の高収益企業であり、今年第3四半期までの累計収益は100億ドルに達している

テザー不安の新たな発火点

テザーの財務健全性に関する憶測は今に始まったことではなく、同社の準備資産に関する議論は長年続いてきた。今回の新たな懸念は、アーサー・ヘイズ氏の発言に端を発しているとみられる。

ヘイズ氏は先週、テザーが「大規模な金利トレードを始めたばかりだ」と述べ、同社が保有するビットコイン(BTC)と金の価格が30%下落すれば「株主資本が吹き飛び」、テザーのUSDTは技術的には「支払不能状態」になると主張した。

ビットコインと金は、テザーの準備資産の中で大きな割合を占めており、特に金の比率は近年増加している。

テザーへの批判はヘイズ氏だけではない。テザーCEOのパオロ・アルドイノ氏は最近、S&PグローバルがUSDTの米ドルペッグ維持能力を引き下げたことに反論し、この判断を「FUD(恐怖、不確実性、疑念)」だと一蹴した

S&Pグローバルは、金、ローン、ビットコインといった「高リスク資産」へのエクスポージャーを理由に格下げを行った。

テザーのUSDTは仮想通貨市場で最大のステーブルコインであり、流通量は1855億ドル、市場シェアは約59%に達している

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Arthur Hayes, テザー, ステーブルコイン