ステーブルコイン最大手のテザー(USDT)は市場低迷の中、その時価総額が減少し続けている。

6月16日、USDTの時価総額が2021年10月以来、初めて700億ドルを割り込んだ。5月にUSDTの時価総額が800億ドルを超える史上最高値を記録したが、その直後が連続的に下落が続いていた。

CoinGeckoのデータによると、記事執筆時点でUSDTの時価総額は693億ドルとなっている。

USDT 90-day market capitalization chart. Source: CoinGecko

テザーの最大のライバルであるUSDコイン(USDC)は、ピアツーピア決済企業サークルが手掛ける米ドルペッグ型のステーブルコインだ。このステーブルコインは2月に時価総額500億ドルに達しているが、これまで時価総額でテザーに勝ったことはない。

テザーがここ数週間でシェアを落としている一方で、USDCのような他のステーブルコインは最近、その時価総額を高めている。そのため、USDCの時価総額は5月中旬の約480億ドルから6月中旬には550億ドルに増加した

USDC 90-day market capitalization chart. Source: CoinGecko

テザーの時価総額縮小は、2021年2月以来初めて仮想通貨全体の時価総額が1兆ドルを下回るなど、市場のパニックと不透明感が続いている中で発生した。

テザー社は、進行中の仮想通貨レンディング企業問題の影響を受けていないことを投資家に保証するため、積極的に声明を公開している。6月13日、テザー社は、仮想通貨レンディングプラットフォームのセルシウスを巡る問題はテザーと関係がなく、USDTの準備金に影響を与えないと宣言している

テザーはその後、6月15日にUSDTのコマーシャルペーパーの裏付けをなくす計画を発表した