ステーブルコインを発行するテザー・ホールディングス・リミテッド(テザー社)は、コマーシャルペーパーへのエクスポージャーを解消し、同社の準備金の内実を批判する論者の間で長年争点となっていた問題に対処した。

テザー社は、コマーシャルペーパーを準備金から削除したことに加え、それらの投資先を米国財務省証券(米国債)に置き換えたことを10月13日に発表した。「コマーシャルペーパーをゼロにしたことは、市場で最も安全な準備金でトークンを裏打ちするというテザー社のコミットメントを示すものだ」と述べている。

From roughly $30 billion down to zero, Tether has replaced its commercial paper holdings with more secure U.S. T-Bills. Source: Tether. 

テザー社は以前からその準備金について様々な人々から精査を受けてきたが、批判者は過去1年間、その資産の構成に注目してきた。たとえば、2021年10月、中国最大の不動産開発会社の1つである中国恒大グループが破綻寸前だった時期に、テザー社が中国のコマーシャルペーパーに特大のエクスポージャーを持っていたのではないかとブルームバーグが報道した

コマーシャルペーパーは、企業や金融機関が発行する短期無担保債務で、通常、高い信用リスクを伴うものだ。

6月、テザー社は、同社のコマーシャルペーパーポートフォリオの85%が中国またはアジアのコマーシャルペーパーに裏付けられているという主張を批判した。その際、同社はコマーシャルペーパーのエクスポージャーを最終的にゼロにするとも述べている。その後、テザー社は定期的に更新を行い、コマーシャルペーパーの準備金が大幅に減少していることを示した