ステーブルコインのテザー(USDT)を発行する仮想通貨企業テザー社は、人工知能(AI)への戦略的な展開を進め、AI部門でトップレベルの人材の獲得を目指すと発表した。
テザーの発表によると、この戦略的な拡大は「ビッグテックによるAI技術の独占への懸念」の中で行われるものだ。同社は、テザー・データ部門がAIモデル開発の透明性とプライバシーを推進するために前進していると述べている。
テザーは、同社の戦略的なAI展開がノーザンデータグループへの投資などこれまでの事業を基礎にしていくと説明している。
企業の広報担当者は「テザーはAI技術の限界を押し広げる計画で、高性能でプライバシーを守るAI技術を個人使用に適した形で提供するだけでなく、イノベーションと実用性における新たな業界標準を設定する。ノーザンデータグループへの投資は、同社の高度なGPUと計算インフラを活用し、現在の主要企業と比べより客観的かつ透明な方法で現実世界の課題に取り組むためのAIプロジェクトを推進する助けとなる。AIの潜在能力は非常に革命的で、その影響はインターネット自体を超える可能性がある」とコインテレグラフに語った。
AI展開の一環として、テザーは3つのアプローチを打ち出した。計画の第一段階は「オープンソースのマルチモーダルAIモデルの開発を先導し、AI技術内でのイノベーションとアクセシビリティにおける新たな業界標準を設定すること」だ。次のフェーズでは、製品とサービスを市場に導入し、「AI技術を活用して現実世界の課題に取り組む」ことでリードする。最後に、テザーはより広範なエコシステムと積極的に関与する意向だ。
また、同社はAI部門のトップレベル人材を獲得することを目指すという。テザー・データの採用ページには、AIエンジニアとAI部門責任者の2つのポジションが欧州で募集するとしている。テザーはコインテレグラフに対し「現在、新設されたこの部門の積極的な採用を行っている」と述べている。