仮想通貨取引所ビットフィネックスとステーブルコイン発行者テザーは、ニューヨーク州で多くの大手ニュースメディアによって提出された同州の情報自由法(FOIL)の要請に対する反対を取り下げることで合意した。

テザーからの声明によると、今年初めにメディア各社からのFOIL要請を受け、情報の透明な共有に取り組む姿勢だという。しかし、同社は文書の公開を行わない方針を示しており、「透明性とは、我々の全文書を無差別に公開することを意味しない」としている。

ジャーナリストのゼーク・フォー氏、シェーン・シフレット氏、アダ・フイ氏らによるFOIL要請に対して、テザーとビットフィネックスは控訴しないことを決定したが、これらのジャーナリストは「特定の行動」を示したと非難している。フォー氏による過去のテザーとビットフィネックスに関する報道は「プロフェッショナルなジャーナリズムの範囲を超えている」と主張している。また、ウォールストリートジャーナルやブルームバーグなど、FOIL要請に参加しているメディアに対しては「一方的で不正確な報道」だと批判している。

声明では、両社は透明性に取り組んでおり、「倫理的な報道基準を遵守し、データプライバシーの境界を尊重する」という条件のもとで、ジャーナリストや規制当局との対話も受け入れていくと強調している。ある。また「責任ある文書のレビュー」を行うとし、透明性への努力が「全文書の無制限な公開に等しいわけではない」としている。

現在のFOIL要請は、2021年2月にニューヨーク州司法長官(NYAG)とテザーおよびビットフィネックスが合意に達したことに関連している。CNBCが報じたように、この合意には顧客資金と企業資金の混在したという疑惑に関する2年間の法的紛争を解決するために、1850万ドルの罰金を支払うことが含まれていた。

合意の一環として、テザーとビットフィネックスは2年間にわたり四半期ごとに透明性報告書をNYAGに提出することが求められていた。この義務の終了後、コインデスクはニューヨークでのFOIL要請を提出し、和解合意の下で提出されたテザーの第1四半期に関する資料の公開を求めた。2023年6月、テザーは「機密顧客データ」の公開を防ぎ、「悪意ある行為者」による「機密商業情報」の利用を防ぐためにFOIL要請に反対していた