テレグラムの創設者パーヴェル・ドゥーロフ氏は、同社がコンテンツの管理、協力、犯罪対策において常に法的義務を満たし、その法的義務以上のことに対応してきたと主張した。

3月17日、ドゥーロフ氏はメッセージングアプリ「テレグラム」上で近況を報告し、数か月をフランスで過ごした後、すでにドバイへ戻ったことを明らかにした。現在も手続きは進行中だが、「自宅に戻れて最高の気分だ」と付け加えた。

ロシアの通信社TASSによると、フランス当局はドゥーロフ氏に課していた「司法管理義務」を3週間停止した。フランスの検察当局の情報源を引用し、TASSは司法管理が3月15日から4月7日まで停止されたと報じた。

司法管理の停止は、ドゥーロフ氏に関わる裁判や法的手続きを一時的に延期することを意味する。また、裁判所の決定の執行を一時的に停止し、ドゥーロフ氏に対する法的制約も緩和される。ただし、一時停止後、同氏はフランスへ戻る必要がある可能性が高い。

会社は法的義務を「超えていた」

この投稿は、ドゥーロフ氏がフランスを離れ、自宅へ戻ることを許可されたとの報道を受けてのものだ。3月15日、匿名の情報源を引用した報道では、フランスの裁判所の許可を得た後、同氏がフランスを出国したとされている。

ドゥーロフ氏は、インスタントメッセージングアプリに関する捜査の一環として、昨年8月24日にパリで逮捕された。同氏は、違法行為を可能にするプラットフォームを運営していると非難されていた。

Pavel Durov shared a post on Telegram after returning to Dubai. Source: Pavel Durov

ドゥーロフ氏は投稿の中で、ドバイへの帰国を許可した裁判官に感謝の意を表した。また、弁護士やチームにも謝意を述べ、同社が法的に求められる基準を上回る対応を行ってきたことを証明できたとした。

「この決定を下してくれた調査裁判官、そして弁護士やチームのたゆまぬ努力に感謝したい。コンテンツの管理、協力、犯罪対策に関して、テレグラムは何年にもわたり法的義務を満たすだけでなく、それを超えてきたことを証明できた」と述べた。

また、世界中の支持者にも感謝の意を表し、「私たちの10億人規模のコミュニティが乗り越えられないことはない」と付け加えた。

ドゥーロフ氏の帰国がToncoinの急騰を後押し

ドゥーロフ氏の解放を受け、テレグラムと深く統合されたプロジェクト「The Open Network(TON)」のネイティブ仮想通貨であるToncoin(TON)が急騰した。3月15日、Toncoinは2.93ドルから3.46ドルへ上昇し、3月17日には7日間の最高値となる3.59ドルを記録した。執筆時点で、同資産は3.41ドルで取引されている。

TONブロックチェーンを支援する草の根団体「TON Society」は、ドゥーロフ氏の解放を祝福。同グループは、逮捕以来ドゥーロフ氏を支持してきたと述べ、テレグラム創設者の「言論の自由と透明性への献身」を称賛した。

この団体は以前、フランス当局に対しドゥーロフ氏の釈放を求める公開書簡を発表していた。