人気メッセージングアプリ「テレグラム」の創設者であるパベル・デュロフ氏が、フランス裁判所の承認を得て同国を離れ、ドバイへ渡航したことが明らかになった。

3月13日、フランスの裁判所はデュロフ氏に対し、フランスを離れドバイへ渡航する許可を与えたと報じられている。バロンズの報道よると、デュロフ氏はすでに渡航を完了した模様だ。ドバイは多くの国と犯罪人引き渡し協定を結んでいないことで知られている。

AFPは匿名の情報源を引用し、「デュロフ氏は今朝、フランスを出発した」と報じた。また、別の情報筋によれば、デュロフ氏は「数週間にわたるフランス出国許可」を得たという。

このニュースを受け、仮想通貨市場は好意的に反応した。テレグラムが基盤としているオープンネットワーク(TON)のネイティブ仮想通貨であるTONコイン(TON)は、市場価格が20%急騰した

フランスでのデュロフ氏の裁判、決着か?

デュロフ氏の法的問題は2024年8月24日に始まった。この日、彼はパリのル・ブルジェ空港で逮捕された

フランスの検察当局は、テレグラムが違法行為を可能にするプラットフォームを運営しているとして、8月28日にデュロフ氏を起訴した。検察側は、デュロフ氏に最大10年の禁固刑および50万ユーロ(約55万ドル)の罰金が科される可能性があると主張した。

同氏は8月28日に600万ドルの保釈金を支払い釈放されたが、フランス当局は彼にフランス国内に留まるよう命じ、捜査終了後に裁判へ出廷する義務を課した。

今回の報道は、デュロフ氏がフランスでの訴訟を解決したか、または裁判が続行される中で一時的に出国を許可された可能性を示唆している。

記事執筆時点では、デュロフ氏は自身のソーシャルメディアでフランス出国を公に認めていない。また、フランス政府も正式な声明を発表していない。