スイスの資産運用会社ティベリウス・グループAGが、複数のメタルに裏付けられた仮想通貨を立ち上げる計画を進めていると27日のブルームバーグが報じた。仮想通貨の課題の一つであるボラティリティ(価格変動)の高さに対するひとつの解決策になるのか、注目されることになる。

この仮想通貨の名前はティベリウスコインで、銅やアルミニウム、ニッケル、コバルト、スズ、金、プラチナ価格に連動するという。一つではなく複数の商品を裏付ける理由について、ティベリウス・テクノロジー・ベンチャーズAGのラパッロCEOは次のように述べた。

「たったひとつの商品でデジタル通貨を裏付けるより、我々は技術メタル、安定したメタル、電動メタルを混在させることを選んだ。通貨に多様性をもたらすことで価格はより安定し、投資家にとってより魅力が増すだろう」

ラパッロ氏によると、スイスの法律に従ってティベリウスコインは約70ドルで取引される。供給量は、連動するメタルの供給量に左右されるという。まずはエストニアの仮想通貨取引所LATOKENに上場することになるという。

金現物のオンラインプラットフォームを手がけるブリオンボールトの研究者アドリアン・アッシュ氏によると、これまでメタルに裏付けられた仮想通貨で成功したものはない。いずれも分散型台帳をという新たなコストを払わなくても達成できることを対象にしていて「存在しない問題を解決しようとしている」と解説したという。

ティベリウス・グループAGは、2005年に商品資産の運用会社として設立され、運用額は3億5000万ドルだ。