国際銀行間金融通信協会(SWIFT)がマイクロソフトと提携したことが21日に明らかになった最近はリップル社などをはじめ仮想通貨やブロックチェーンがもたらす新たな国際決済システムの動きに押されがちなSWIFTだが、マイクロソフトと提携したことで巻き返しを図れるのか、注目だ。

発表によると、マイクロソフトが提供しているサービスの「アジュール(Azure)」のクラウド上にSWIFTの決済ネットワークを統合させることで、SWIFTが「これまでより速く、効率的で安全な」送金システムを銀行や企業などに提供できるという。

SWIFTが提携する金融機関は世界200カ国に1万1000ある。今回の提携を受けてSWIFTのアーノルド・ボウイノリス氏は次のようの述べた。

「バックオフィスの効率性を高めるというクラウドの潜在力を示す上で大きな一歩だ。SWIFTは金融サービス決済エコシステムにおける非効率性や摩擦を減らす努力を今後も続けていく」

リップルなどにとって驚異?

クロスボーダーでの送金においてSWIFTは、送金に数日かかりコストも高くつくのが問題点として指摘されてきた。一方、リップルは送金完了に数秒しかかからず、「銀行はリップルを通して60~70%のコスト削減することが可能」。現在、リップルのxCurrentは100社以上の金融機関と提携。仮想通貨リップル(XRP)の利用が義務となるxRapidも今月初めに3社で商業利用がスタートしたと発表された。リップルをはじめとしたブロックチェーン企業は、遅くてコストが高い旧来のSWIFTに対抗する新たな国際送金サービスとして注目されてきた。

SWIFTとマイクロソフトの提携は、リップルにとって脅威になるのだろうか?

仮想通貨に詳しいeToroのマティ・グリーンスパン氏は、「SWIFTは現在は恐竜状態でまだ改善の余地がある」としつつも今回の動きについて「クラウドに移行することでオペレーションの規模の拡大を可能にさせ、セキュリティを高め、コスト削減につながるだろう」と評価ただ、リップル(XRP)やステラ(XLM)などブロックチェーン勢とSWIFT、どちらが優位に立つかは時間との戦いになるだろうと予想した。

「SWIFTの動きが遅すぎるかどうかはまだわからないだろう。すでに1万以上の金融機関と提携しているし、アジュールのプラットフォームに移行してシステムのアップグレードするのも時間の問題だろう。ただこれには1年以上かかる可能性があり、XRPやXLMなど他の決済サービスに有利な流れは変わらないかもしれない

また、グリーンスパン氏は、SWIFTとブロックチェーン企業の共存可能性についても指摘した。