仮想通貨リップル(XRP, Ripple)の話題で市場は持ち切りだ。コインテレグラフでは仮想通貨業界の関係者に話をきいた。

トロン(TRX)創始者のジャスティン・サン氏「リップル社株主として自信」

XRPの急伸は、米PNC銀行がリップルのプロトコルを評価したことが背景にある。また、(元米大統領である)ビル・クリントン氏がリップル主催「Swell 2018」で基調講演することも、ブロックチェーンがメインストリームになりつつあることを示している。私自身、2014~16年のリップル中国区の元代表、さらにリップル社の現株主として、金融機関がブロックチェーンを採用することに自信をもっている。

(ちなみにサン氏はリップル中国区の元代表だったことはないと否定する声もある。)

リップル(XRP)長期投資家キエラン・ケリー氏「さらに普及へ」

リップルは提携銀行を毎週のように追加している。リップルネットは6大陸40カ国を網羅している。PNC銀行参画のアナウンスは、リップルの一般的な普及へ向けての大きな前進だ。従来の金融業界はリップルネットを通して既にブロックチェーンを採用し始めており、さらに普及するだろう。リップルは銀行がわずかなコストで送金を3秒で完了させることを可能にしている。これに対し現行のSWIFTだと3~5日かかる。銀行はリップルを通して60~70%のコスト削減することが可能だ。

リップル懐疑派ニコラス・マーテン氏(YouTubeの仮想通貨チャンネルの代表)

だが今回のリップル価格の上昇について、懐疑的に見る声もある。

(おめでとうXRPトレーダー達、買方の勝ちだ。だが誤解してはいけない。今回の出来高は、銀行がxRapidのためにXRPトークンを買い上げているためではない。単にクジラ(大口投資家)や個人投資家たちが買い上げているだけだ。リップルの技術=素晴らしい。リップルのトークン=取引で使われる価値は少ない。)

eToroのアナリスト マチュー・ニュートン氏「リップル大人気」

同氏はThe Independentに対し次のように述べている。

仮想通貨のなかでも最も物議をかもすリップルだが、弊社の顧客からのニーズは大きく、現在一番人気の仮想通貨になっている。これまでの例でみると、短期間で鋭く上下し、話題に乗じて勢いをつけていくパターンがみられる。ここからどこまで上昇するか観察が必要だ。

中国の某仮想通貨取引所代表「市場テーマが決済シーンに回帰」

さらに、取引高で上位50位に入る中国発の仮想通貨取引所の代表はリップル暴騰の背景を次のように説明した。

スマートコントラクトが普及するまでにはまだまだ時間がかかると市場が判断したのだろう。仮想通貨の応用シーンはまず決済と、送金であるという事実に市場テーマが回帰してきたのではないか。