国際銀行間通信協会(SWIFT)は、CBDC(中央銀行デジタル通貨)相互接続ソリューション「コネクター」の第2段階サンドボックステスト結果を発表した。
レポートによると、今回のテストでは、CBDCを含む4つのユースケースが検証された。具体的には、スマートコントラクトを用いたアトミック(即時)決済によるデジタル取引の実験、トークン化プラットフォームの接続によるアトミックデリバリー対決済の実現、金融インフラ企業CLSグループとの連携によるCBDCを用いた既存の為替インフラの接続などが行われた。

4番目のユースケースは、流動性セービング・メカニズムアルゴリズムを用いてプラットフォーム間における流動性の断片化を軽減するというもので、二国間協議を伴う演習として実施された。
今回のテストでは、R3のコルダやハイパーレジャーファブリック、ベス(Besu)ブロックチェーンを用いてコネクターの相互運用性が実証された。レポートは次のように結論づけている。
「SWIFTが提供する単一のアクセスポイントにより、金融機関は既存のチャネルを再利用し、新しいネットワークに接続し、参加コストを削減することが可能になる。」
SWIFTは、従来の金融ソリューションも存在し続け、相互接続の需要も高まると強調している。
サンドボックス実験の完了を受け、SWIFTはコネクターのベータ版開発をさらに進め、ネットワーク間におけるスマートコントラクトの実装、ネットワーク間のトークンの暗号化ロックと解放、ネットワーク間のトークンのデータとプログラマビリティの維持に注力する予定だ。
125人以上のユーザーが750件以上のシミュレートされた取引を行い、SWIFT CBDC相互接続ソリューションの複雑なユースケースを実証した。サンドボックス第2段階には、ANZ、シティバンク、ドイツ銀行、DTCC、HSBC、ソシエテジェネラル、スタンダードチャータード、三井住友銀行、上海商業貯蓄銀行など、少なくとも7つの中央銀行または金融当局が参加した。

テスト開始は2023年9月に発表され、第1段階テストは2023年3月に完了していた。
SWIFTは、将来のユースケースを幅広く探求しており、統一台帳モデルを用いた決済の実験も同時に行っている。CBDCサンドボックスと同様に、この研究ではSWIFTを含む既存の技術を活用する能力が強調されている。