銀行間の送金ネットワークを運営するSWIFT(国際銀行間金融通信協会)は、仮想通貨を「不安定で役に立たない」ものと考えてるようだ。SWIFTの匿名の人物が、フィンテック系メディアの「フィンテック・フューチャーズ」に対して語った。
SWIFTが英ロンドンで開いた国際決済のためのパイロットプロジェクトについてのブリーフィングで語ったという。
「仮想通貨は、ヨーヨーのように価格が変動する。これらは不安定で役に立たない。たとえ仮想通貨企業が安定したものを作ったとしても、それはただの通貨バスケットに過ぎない」
通貨バスケットという言葉から、複数の法定通貨を準備資本とするフェイスブックの仮想通貨「リブラ」を意識した発言とみられる。SWIFTの発言者は、リブラについて「短期的には影響はない」と語ったという。
仮想通貨に対して辛辣な発言をしたものの、SWIFTの担当者はブリーフィングの中で、現在のネットワークの欠点を認めた。
「正午に豪州から中国に支払いを送信する場合、営業時間の関係から12時間の遅延が即座に発生する」
現在、SWIFTが進めているパイロットプロジェクトについて、欧州で概念実証に取り組んでいると明らかにした。概念実証の詳細については9月23日に開催されるイベントで紹介する予定だという。
記事の中では、プロジェクトの名前は出ていないが、SWIFTは今年7月、独自開発した「グローバル・ペイメント・イノベーション(GPI)」を活用したクロスボーダーの即時決済に成功したと発表している。今回ロンドンで話されたプロジェクトもGPIの関係だとみられる。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版