ここ数週間ほど、サプライチェーンや物流に焦点を当てたブロックチェーンプロジェクトが大きな成長を見せている。
特にオリジントレイル(TRAC)、ウォルトオンチェーン(WTC)、ワビ(WABI)の3つだ。2月上旬以降、それぞれ最低でも300%上昇している。

TRAC/USD
オリジントレイルは「ユニバーサルで協調的、信頼できるデータ交換を可能にすることで、グローバルなサプライチェーンを連携させることに専念するエコシステム」と自称している。
プロジェクトは2011年に開始され、データ保護と商品トラッキング機能によって、企業やユーザーにサプライチェーンの合理化機能を提供している。
現在はマイクロソフトやウォルマート、オラクルなどの大手企業と提携している。
TRACは2月9日にステーキングを含む、いくつかの新機能を開発したことが好感され、0.151ドルから475%上昇し、3月12日には史上最高値である0.867ドルを記録した。

3月7日にはポルカドットやxDai(STAKE)、Oracleブロックチェーンを含む複数のブロックチェーンとの相互運用を可能にする「世界初の分散型マルチチェーン・ナレッジグラフ」の立ち上げを準備していると発表したことを発表した。
WTC/USD
ウォルトチェーンはサプライチェーンに特化したプロトコルで、TRAC同様に2月上旬から大きく上昇している。2月1日に0.343ドルだったのか3月11日には1.64ドルまで436%上昇し、出来高も1日平均が400万ドルだったのが、3億ドル以上に急増した。

ウォルトチェーンは、サプライチェーンのユースケースの運用効率を高めるために、ブロックチェーンやRFID技術、IoTを組み合わせたエコシステムの構築に注力している。
WTC価格の上昇のきっかけは、イーサリアムやファブリックなど、異なるブロックチェーンとのデータの相互運用を可能にするクロスチェーンのアップグレードを行なったことだ。
今回のアップグレードでは、NFTプラットフォームのほか、分散型取引所、流動性集約プラットフォーム、保険プールといった一連のDeFi製品の作成など、さまざまな新機能が導入された。
WABI/USD
ワビ(WABI)はシームレスで公正かつ機密性の高い情報交換を可能にすることで、ブランドと消費者を結ぶサプライチェーンエコシステムに利用されている。
ワビ価格は2月1日の0.95ドルから、3月12日の0.399ドルまで320%上昇した。

現在、ワビプロトコルは、アジア市場を焦点としたB2Bマーケティングソリューションの立ち上げを準備している。
TRACやWTC、WABIといったプラットフォームの成功には、新型コロナウイルスによる経済混乱から、いかにサプライチェーンが立ち直れるかにかかっている。
2021年にサプライチェーン関連のプロジェクトが活発化したのは、他のブロックチェーンとの相互運用性が向上したことが大きな要因だ。世界経済が再び活発化し、サプライチェーンが再構築されれば、さらに価格上昇につながる可能性が高い。
ここで述べられている見解や意見は筆者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資や取引にはリスクが伴うため、決断を下す際にはご自身で調査を行ってください。