破綻した仮想通貨ヘッジファンドの創業者スー・チュー氏のシンガポールにある3600万ドル(約53億円)の豪邸がエコファームに変貌を遂げた。

地元メディア報道によると、シンガポールの高級住宅地ヤーウッド・アベニューにあるチュー氏の邸宅が、「ヤーウッド・ホームステッド」と改名され、彼の妻であるエヴリン・タオ氏が共同設立した会社「アバンダント・シティーズ」によって運営されている。

この会社は、邸宅の庭をミニ農場に変え、野菜、ハーブ、果物などを生産しているという。さらに、バンガローの前庭は36の菜園に作り替えられ、オクラ、ほうれん草、豆、ケール、ゴマ、ラディッシュなどが栽培されている。スイミングプールは現在、水生植物、小川、さまざまな魚やエビを含む自然池となっている。この農場の敷地内では、さまざまなプライベートなイベントが開催されているとのことだ。

チュー氏と彼の妻は、彼のヘッジファンドのスリーアローズ・キャピタル(3AC)が破綻する直前の2022年3月、この物件を3600万ドルで購入した。仮想通貨の強気市場の絶頂期には、3ACは100億ドル以上のデジタル資産を管理していたと報じられている。同社は、テラへのレバレッジ投資で失敗し、2022年7月に破産申請を行い、債権者からの35億ドルにものぼる請求に直面している。

ヤーウッド ホームステッドの「研究開発拠点」” Source: Abundant Cities

9月29日、チュー氏がシンガポールのチャンギ国際空港で逮捕された。裁判所がチュー氏の収監命令を下した後、同氏が海外に出国しようとしていたタイミングだった。チュー氏が企業資産の回収に関する裁判所の命令に従わなかったことで、4ヶ月の収監命令が裁判所から出された。

3ACのもう1人の共同創業者であるカイル・デイビス氏もまた、4ヶ月の刑期を宣告された。しかし、デイビス氏の行方は依然として不明知れずのままだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン