仮想通貨トロン(TRX)を展開するトロン財団は2月15日、Steem(スティーム)ブロックチェーン基盤の分散型ブログ・SNS「Steemit(スティーミット)」との戦略的提携を発表した。トロン財団とSteemitの開発チームは、Steemブロックチェーン上の分散型アプリ(Dapps)を、多くのユーザー・製品・サービスからなるコミュニティを抱えるトロンブロックチェーン基盤に移行させる予定という。

Steemブロックチェーンから、トロン基盤に移行

Steemitは、2016年に設立され、Steemブロックチェーン基盤のブログ・SNS。Steemブロックエクスプローラーのデータによると、130万人以上(記事掲載時点)の登録済みアカウントを擁する最大級のDAppのひとつだ。ウェブサイトのトラフィック分析ツール「シミラーウェブ(SimilarWeb)のデータによると、Steemitサイトには2020年1月に780万人以上の訪問があったという。また、Steemブロックチェーンの仮想通貨STEEMを利用しコンテンツを公開したユーザーが報酬を得られるようにしている。

Steemitは、ビデオ共有プラットフォーム「DTube(ディーチューブ)」、写真共有サービス「APPICS(アピックス)」など、ブロックチェーン技術を利用し、Youtubeやインスタグラムの代替となるプラットフォームを提供していることでも知られている。

発表によると、トロン財団とSteemitは、従来のSTEEMをトロン基盤のSTEEMに移行させるという。今回の発表から24時間で、STEEMはほぼ26%上昇した。トロン(TRX)も上昇しており、記事公開時点で10%値上がりしている。

また今回の提携により、トロン基盤のSTEEMと、開発者コミュニティ向けの新アクセラレータープログラム(開発支援のための出資)を利用し、既存TRX保有者にプレゼントを提供する予定という。

プレスリリースにおいて、トロン創業者兼CEOであるジャスティン・サン氏は、新たな提携により「分散型SNSの新たな時代を切り開く」ことができると主張。同氏は、ツィッター上においてトロン基盤のSteemitを「STEEMIT 2.0」と名付けた。

トロンとSteemitの組み合わせにより、幅広い普及を目指す

Steemit共同設立者兼会長ネッド・スコット氏は、2016年の設立以来、仮想通貨を手軽に扱えるようにし広く普及させるという使命を追及していると主張した。

「2016年にわずかな予算でプラットフォームを立ち上げてから今日まで、その開発とユーザーベースの成長を楽しんでいる。今、私は戦略的パートナーのトロンが、新たな高みに導こうとしているのを目の当たりにして、興奮している」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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