アルゼンチンの次期大統領、ハビエル・ミレイ氏は経済改革の公約で選出された。具体的な変革の内容は12月10日の就任後に明らかになるが、アルゼンチン拠点の仮想通貨取引所リピオのセバスティアン・セラーノCEOは、アルゼンチン人の生活において、ステーブルコインが重要な役割を果たすだろうとコインテレグラフに語った。

アルゼンチンの仮想通貨コミュニティは、元経済学教授であるミレイ氏の選出に大きな熱狂を見せている。リピオは10月に新規ユーザーが180%増加し、ミレイ氏が権力を握った11月19日の決選投票日には週単位で110%の新規ユーザー増を記録した。

An Argentine banknote. Source: Wikimedia Commons

この熱狂は、米ドルとペッグされたステーブルコインUXDの取引活動にも表れた。リピオが発行したUXDは11月17日にペッグを失い、コインゲッコーによると週末には驚異的な5.03ドルの高値を記録した。

アルゼンチン人の生活においてステーブルコインはすでに重要な役割を担っており、ミレイ氏が経済を完全にドル化する計画を実行するかどうかに関わらず、その重要性は今後さらに増すだろう。セラーノ氏は次のように述べている。

「銀行紙幣と銀行ドルへのアクセスが困難な中、ステーブルコインは多くの企業や個人にとって不可欠となっている。(中略)

ドル化または二元通貨制に移行しても、ドルへのアクセスが制限される場合、ステーブルコインの重要性はますます高まるだろう。」

セラーノ氏は、アルゼンチン中央銀行は、ミレイ氏が主張するように廃止されるのではなく、整理されるか、同様の機関に取って代わられる必要があると示唆した。中央当局がなければ、過去にアルゼンチンで見られたような「非常に混沌とした貨幣の流れ」になりかねないという。これが、アルゼンチンや他のラテンアメリカ諸国でステーブルコインが使われているもうひとつの根本的な理由だとした。

アルゼンチンの年間インフレ率は10月に143%に達し、チェイナリシスのグローバルアダプションインデックスで15位にランクインしている。