米国のジャネット・イエレン財務長官は、ステーブルコイン市場について触れ、テラUSD(UST)やテザー(USDT)の価格が1ドルを下回ったとしても、国の金融安定性に脅威を与えるほどの規模にはなっていないと語った。
 

12日に開かれた米議会下院の金融サービス委員会の公聴会で、イエレン氏は、USTが0.40ドル以下に下がり、時価総額最大のステーブルコインであるUSDTが一時ドルペッグが外れて0.96ドルを記録しても、ステーブルコイン市場が「金融安定性への真の脅威」が生じる規模ではないと語った。イエレンは、大統領ワーキンググループの11月の報告書を引用し、現在、デジタル資産分野における「潜在的な金融安定性リスク」を分析していると述べた。

イエレン氏は、「デジタル資産は非常に急速に成長している」と述べ、「それらは、私たちが何世紀にもわたって銀行倒産を通じて知ったものと同じ種類のリスクを提示している」と指摘した

イエレン氏は、米国での中央銀行デジタル通貨(CBDC)についても語り、「金融仲介の構造に非常に大きな影響を与える」可能性があると指摘している。

週10日にもイエレン氏は金融安定化へのリスクに対処するため、ステーブルコインに関する「一貫した連邦政府の枠組み」を策定するよう米議員に呼びかけた。その時もUSTの問題に触れ、「適切な枠組みが必要であることを端的に示している」と語っていた。