仮想通貨の投資家とトレーダーは、ステーブルコインのテザー(USDT)から77億ドルをキャッシュアウトした。その結果、時価総額は過去7日間で7.8%減少して760億ドルとなった。

テザーの2021年12月の準備金レポートによると、その時点での現金準備金は41億ドルとなっているが、今回キャッシュアウトされた金額はその現金準備のほぼ2倍に相当する。

テザーは、USDTの米ドルペッグを維持するため、現金や債券、米国債などの資産を準備している。テザーの準備金レポートによると、同社の総資産額は786億ドルにのぼり、現金はその5%で41億ドルになる。

先週の市場でのパニックにより、USDT/USDは主要な取引所で0.99ドルで取引されが、テザーは1ドルで償還することを尊重するという声明を発表した。

テザーの最高技術責任者であるパオロ・アルドイノ氏はツイッターのスペースチャットで、過去6か月間でコマーシャルペーパーの割合を減らしており、同社の準備金の大部分は米国債であると説明している。

テザーはその準備金の資産の内訳について2021年5月にその内容を公開しているだけだ。公開されたレポートは、テザーが投資する資産の詳細についてはあいまいなままだ。

このあいまいさを受け、最近のステーブルコインのデペッグと相まって、一部の投資家はもう1つの人気ステーブルコインであるUSDコイン(USDC)との交換をしようとしたようだ。USDCの方は監査済みで、現金と米国債で完全に裏付けられている。先週の金曜に公開されたUSDC発行元のサークル社のブログでも、USDCが現金と米国債で完全に裏付けられていることを強調していた。

CoinGeckoのデータは、投資家がUSDCの方に資金を移動させていることを示している。5月3日から18日までの間にUSDCの時価総額は6.3%上昇しており、31億ドルの流入があった。