仮想通貨とブロックチェーンに特化したベンチャーキャピタル、ブロックチェーンキャピタル社のパートナーであるスペンサー・ボガード氏は、23日にブルームバーグに出演し来年のビットコインは「垂直面」での成長が期待できると発言した。

ボガート氏にとって過去2、3年は、「ICOなど水平面での発展が見られた時代」。その中で、パブリックで許可無し型のブロックチェーンこそがイノベーションの中核であり、本命がプライベートで許可有り型のブロックチェーンではないことを世間が認識し始めたと述べた。

また、「ビットコインではなくてブロックチェーン」は正式に終了したという見方を示した。

「ビットコインではなく、ブロックチェーン」集団とは、分散型の仮想通貨であるビットコインやイーサリアムとブロックチェーン技術を切り離して考え、後者のみの推進に取り組む集団のことだ。ボガード氏の言うプライベート型のブロックチェーン推進派たちにこの考えを持つ人が多く、しばしば既存のシステムのディスラプション(破壊)ではなくの効率化のみにブロックチェーンの可能性を格下げしてしまっている。

ボガード氏は、今後ビットコインやイーサリアムなど「機能しているモノ」の上に「使い勝手の良いアプリやサービス」を開発をする垂直面での流れが加速すると予想した。

「ビットコインがビットコイン1.0だったとしたら、さらに進んでビットコイン3.0や4.0の時代を切り開こうという流れが生まれている」

ボガード氏によると、仮想通貨の時代は以下のように分けられる。

2009年~2011年 「ビットコインは機能しない」

2012年~2013年 「チューリップと犯罪者たち」

2014年~2016年 「ビットコインではなくブロックチェーン」

2017年~2019年 「水平面での競争」

2020年以降    「垂直面での構築」

ちなみにフェイスブックのリブラは、「水平面での競争」に区分けされると言う。

来年のビットコインは引き続きビットコインのスケーラビリティ改善を目指すライトニングネットワークの発展などが期待される。また、イーサリアムは同じくスケーラビリティ改善を目指すイーサリアム2.0への以降がスムーズに行われるか注目される。

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