「ICO禁止は違憲」韓国スタートアップが提訴の見通し

韓国のブロックチェーン・スタートアップのプレスト社が、政府による国内でのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)禁止措置は、違憲であるとして、訴状を提出する見通しを発表。韓国経済メディアのSEデイリー社が6日に伝えたICOの禁止が憲法で定められた基本的権利を侵害するものなのか、裁判所に判決を求めることになる。

SEデイリーによると、プレスト社のCEOで創業者でもあるカン・ギョン・ウォン氏は、韓国政府によるトークンを使った資金調達ICOの禁止は「職業および財産の自由、平等の権利、科学者の基本的権利」を侵害するものであると説明。同氏は、第4次産業革命に伴う急速な技術開発の進展を考慮すれば、「ICO禁止措置のような違憲かつ前近代的な措置など、もはや存在すべきではない」と述べている。そして、違憲を問う訴訟に踏み切る目的を次のように述べている

「我々は、ICOの禁止と国会の義務不履行について、裁判所の判断を求めてゆく」

韓国政府は昨年9月にICOの全面禁止を発表し、今年10月にはICOに対する否定的な見解を改めて表明した。ギョン・ウォン氏は、政府と国会がICOの全面禁止を発表して以来1年以上も本件を放置したままであり、「我々は出鼻をくじかれた状態となっている」と主張する。

同社は韓国初となる、DAICOによる資金調達の実行を試みていたという。DAICOは、DAO(自律分散型組織)とICOの造語で、DAOを用いてICOによる資金調達方法を改善することを目指した資金調達モデルである。この資金調達方法ではユーザーが開発者やプロジェクトに対する信頼を失った場合、スマート・コントラクトを通じて、出資金返還投票を開始することができるとSEデイリーは報じている。

DAOとは、Decentralized Autonomous Organizationの略。日本語で、自律分散型組織と訳される。現代社会において、総理大臣や社長、リーダー、ボスといった者にある程度の決定権を与える管理システムが国や会社の統治に広く用いられる。完全にフラットな社会構造を形成することは人類の歴史から見ても成功した例は無に等しい。DAOは、ブロックチェーン技術を用いて、個人間の発言権の違いのない集団が意思決定を行っていこうとする組織であり、ある意味では、我々にとって全く新しい概念であると言える。