リップルの価格高騰には熱狂の中にある韓国の仮想通貨市場が寄与しているようだ。17年中に一時360倍まで暴騰したリップルは仮想通貨の中でも最高のパフォーマンスを誇る。
リップルは先週、イーサリアム抜きアルトコインとして初めて時価総額1000億ドル(約11兆円)を突破。これにはイーサリアムやビットコインの保有者も意表を突かれた。
アナリストによると今回の高騰に材料になったのはSBIリップルアジア社と韓国の銀行の戦略的提携だ。だが実際提携銀行間で決済処理が始まるの18年第一四半期末で、他にも強気材料があるのではと指摘されていた。
イーサリアム上のサービス開発に特化した企業であるコンセンシスのライアン・セルキス氏によると
「リップルを使っているか使用を検討している銀行を知らない。特定目的会社にコントロールされている上、発行されているXRPのうち20%は創業者たちに取られている。リップルが銀行に提供しているのは暗号化技術を使って一貫した取引執行を保証する地点間メッセージツールだ。使われる流動性モデルは対応する銀行のものと同じだ。一部の銀行も大きな流動性をもって決済を終了させることができる。リップル社のXRPに対するアプローチは多くの取引所に上場させ何かを"ほのめかす"やり方だが、銀行がそれを決済に使っているとはっきりと断言しているわけではない。」
リップルを決済処理に使っている銀行がないとする見解は正しくない。昨年、スウェーデンの銀行であるSEBは大口顧客のためにリップルのネットワーク上で約200億円のクロスボーダー決済を行っている。タイや日本の銀行も数ヶ月にわたりリップル使って取引を行っている。
一方で、主要な銀行がリップルのブロックチェーンを使って毎日大量に取引を処理しているわけではない、というのは事実だ。
リップル高騰の裏に韓国勢
韓国の仮想通貨取引所コービットのトニー・リューCEOが米ニューヨークタイムズ紙に語ったところによると、
「韓国では口コミが凄いスピードで広がる。投資した人は皆を巻き込もうとする。大きなコミュニティ規模の動きが見られる。」
この一週間、韓国の主要な仮想通貨取引所であるビッサム、コインワン、コービットにおけるリップルの取引量をあわせると世界全体におけるそれの半分以上を占めている。
またこれら取引所ではリップルの価格にもプレミアムが上乗せされて取引されている。例えばビッサムではグローバル平均と比べて24%も高く売買されていた。
韓国では仮想通貨投機が熱狂的人気を得ており、政府も未成年や外国人による取引の規制に乗り出すなど手を焼いている。