韓国政府は仮想通貨(暗号資産)取引で発生した所得に対して、20%の課税を設けることを発表した。
韓国の経済財務省(旧・企画財政部)が22日に開かれた税務開発検討委員会の会合で新ルールの詳細を記した改正税法を公表。同省は「仮想資産取引の所得に係る課税について」との項目で、個人(居住者、非居住者の双方)と海外法人の仮想資産は現在、非課税となっていることを問題視。今回の課税に至った。
韓国政府は他国で株式デリバティブ取引同様に仮想通貨取引でも課税されていることを指摘していた。
承認されれば来年10月から施行
新たな枠組みでは仮想通貨と無形資産から得たキャピタルゲインは、毎年計算される課税所得に分類される。年間250万ウォン(約22万円)以下の仮想通貨での所得は課税されない。
250万ウォンを超えると20%が課税され、韓国のそのほかの課税所得やキャピタルゲインと同等に水準に設定される。
所得は毎年5月に申告・納付する必要がある。
また、韓国の取引所で取引する非居住者や海外法人にも課税される。改正された税法では韓国の取引所は取引利益から税金を控除し、韓国の税関に支払う必要がある。
韓国議会は9月3日までに改正税法を承認する予定。承認されれば2021年10月1日から施行される。
これまでの議論
既報の通り、韓国政府は仮想通貨の取引の課税について、数ヶ月議論してきた。
2019年12月30日、韓国政府は、現行法下では、暗号通貨取引における個人の利益に所得税を課すことはできないとコメントしていた。
「企業による仮想通貨取引の場合、企業の純資産を増加させるすべての取引は、現行法下で課税対象となる。しかし、仮想通貨取引のみを区別して税収結果を生成することは事実上不可能だ」
2020年1月には経済財務省が仮想通貨取引の利益に20%の課税を貸すことが報じられた。一部では、キャピタルゲインではなく、「その他の収入」に分類されると推測されていた。
2月には韓国の税務専門家が移転所得税を課す前に、仮想通貨の利益に基礎的な取引税を適用するよう韓国政府に助言したことが報じられている。段階的な移転所得税に先立ち、基礎的な取引税が必要と主張した。
さらに当局は、販売目的とする取引が行われている商品として、仮想通貨を分類することも議論している。裁判所の判決では以下のように示されている。
「これまで仮想資産は通貨の機能としてしか認識されておらず、所得税の課税対象となっていなかったが、最近では(ビットコインのような)仮想資産が財産的価値を持つ商品として取引されるケースが増えてきている」