韓国の金融業界で、スターバックスが仮想通貨に参入することで、従来の金融機関の競合になるのではないかと警戒感が広がっている。ザ・コリアタイムズが20日、報じた。スターバックスが発行するプリペイドカード「スターバックスカード」に大量の資金が溜め込まれており、仮想通貨によって、この資金を管理するのでははないかと予想されている。
記事ではスターバックスが仮想通貨を使用して前払い式支払い手段によって現金を管理するとの専門家の意見を掲載した。
ウォール・ストリートジャーナルによると、スターバックスの米国本社では2016年第一四半期の時点でプリペイドカードには12億ドルが入金されており、米国の主要な地方銀行の預金額を超えているという。
韓国のスターバックスが抱えている金額は明らかになっていないが、コリアタイムズは700億ウォン(約66億円)以上と推定されていると報道。韓国大手銀行のハナ・フィナンシャルグループのキム・ジョンテ会長は新年の挨拶で「スターバックスのようなコーヒー企業が我々のライバルになっている」と懸念を表明した。
特に懸念を表明している理由は、プリペイドカードが規制の対象となっていないことだ。金会長は「規制されていない銀行と呼べる」と警戒感を示した。
スターバックスはビットコイン先物を手がけるバックトと提携関係にある。
これまでに「最重要小売店としてスターバックスでデジタル資産を米ドルに交換するための規制された信頼のある実践的なアプリを開発する上で、重要な役割を担うだろう」と述べており、今年10月には2020年前半に両者が協力して仮想通貨を米国で試験導入すると発表している。