ビットコインの所有権は日に日に分散化されていることがデータから示されている。中央集権的にネットワークがコントロールされているという報道を否定する好材料になりそうだ。

仮想通貨データ分析企業グラスノードのデータから、著名アナリストのウィリー・ウー氏が3日、少額のビットコイン保有者が増加していることを指摘した。

ビットコインは一般市民の手に

ビットコイン価格が最高値に向かって再び上昇を続ける中、個人投資家の参入が増加しているようだ。同時に「クジラ」と呼ばれる長期のビットコイン大口保有者も以前売却せずに保有を続けている。

ウー氏はこうした状況について「分配が良い方向に向かっている」と評する

「大まかに見積もって、可能供給量の40%が少額から中間の保有者でコントロールされている」

Bitcoin supply distribution chart. Source: Willy Woo/ Glassnode

ウー氏が示した数値は、最近の価格上昇が中央集権的な動きによって引き起こされているという報道を否定する根拠となる。1月31日にブルームバーグは「ビットコインのインフラはこれまで以上に中央集権的になっている」と報じた。そしてこの中央集権性が「セキュリティや分散型ネットワークへの実効性に警告を鳴らしている」と指摘していた。

さらに昨年12月にはフォーブスがマイニングが中国に集中していると報じていた。

その一方でビットコイン支持者は、世界中の法定通貨を弱体化させてきた中央集権への対応手段にビットコインがなりうると強調し続けている

大口の投資家はいずれ売る=トレーダー

ビットコイン保有の分散化にも関わらず、不安視されているのは新規の機関投資家が利益確定を選択した場合に大きな下落につながるのではないかということだ。

著名トレーダーのスコット・メルカー氏は機関投資家が永久にビットコインを保有することは神話であると指摘した。

現在、マイクロストラテジーとグレイスケールはポジションを増やし続けている。マイクロストラテジーは2日に295BTCを購入し、グレイスケールは現在ビットコインを225億ドル分保有している。

Grayscale BTC holdings. Source: Bybt.com

メルカー氏は1日のブログで、「ヘッジファンドがビットコインを調査しているとの報道が出ている。しかしGBTCだろうが、自身で保有していようが、ほとんどの機関投資家はある時点で利益確定に動くだろう。つまり、機関投資家はビットコインを売ってしまうということだ」と指摘した。そして次のように加えた。

「多くの企業やファンドが短期的な利益機会ではなく、インフレヘッジとしてビットコインをバランスシートに追加し、ビットコインの一部を市場から永久に取り除いてしまうと考えるのが妥当だ。そしてバランスシートにロックされ、個人投資家が売らずに保有しているビットコインは、史上最高値から下落した時に、ビットコインのベースライン価格を決定することになる。」