シンガポール高等裁判所は、英金融調査会社インテリジェント・サンクチュアリ(iSanctuary)が、法的文書を含む非代替可能トークン(NFT)をハッキングに関連するコールドウォレットに付加することを許可した。
ストレーツ・タイムズの報道によれば、裁判所が発行した凍結命令が、ソウルバウンドNFTとしてトークン化され、問題のウォレットに付加された。これらのNFTはウォレットとの取引を阻止するものではないが、ウォレットがハッキングに関与したことを取引相手や取引所に警告する役割を果たす。iSanctuaryは、NFTによってウォレットから資金が流出するのを追跡する手段を考案したと主張している。NFTは永久にウォレットに付加されるという。
iSanctuaryは自社のウェブサイトで、仮想通貨300万ドルを失った事業者に雇われ、盗まれた資金を追跡していると報告。さらに、「iSanctuaryの上級調査員がオンチェーンとオフチェーンの証拠をシンガポール高等裁判所に提出し、その裁判所が初めて発行したグローバルな差止命令が認められた。iSanctuaryの金融および仮想通貨の調査員は、犯罪の収益を保有する一連のコールドウォレットを特定し、そのNFTを通じた提供方法が裁判所に受け入れられた」と説明している。
iSanctuaryは、シンガポールのNFTスタジオであるMintableが作成したアプリ「Mintology」でNFTを製作したという。これは、Mintableの創設者ザック・バークス氏がX(旧Twitter)での投稿で間接的に認めている。
ストレーツ・タイムズは10月17日に、この事件は盗まれた秘密鍵に関連しており、シンガポールを拠点とする仮想通貨取引所がハッキング資金のロンダリングに使われたと報じた。また、この事件は「シンガポールからスペイン、アイルランド、イギリス、さらにほかの欧州諸国にまたがる」と付け加えた。
ストレーツ・タイムズによれば、iSanctuaryの創設者ジョナサン・ベントン氏は、「これはゲームチェンジャーだ。必要なら数時間で可能だ。ウォレットに対して提供し、ブロックチェーンを監視し、不正な資産を保有している者を特定し、民事または刑事命令を出すことができる。さらに、警告フラグを出すことも可能だ」と語った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン