4月のビットコインは、史上最高の月の名に恥じぬ展開だった。

2020年4月のビットコインは32%以上の上昇。2014年から2019年までは4月のビットコインは平均で25%以上であったため、今年は一際高いパフォーマンスだった。

実はビットコインは5月の成績も良い。2014年から2019年までの5年間の平均リターンは15%を超えており、4月、12月、10月に次ぐ第4位だ。

気になる点といえば、米国の代表的な株価指数であるS&P500との関係性だろう。最近はビットコインとS&P500の相関関係が高まっていることから、ビットコインもリスク資産として考えなければならなないのではないかという懸念の声も出ている。

5月といえば米国の株式市場にとっては、過去の傾向などから「セルインメイ(SELL IN MAY、5月に売りなさい)」という格言がある。米株と相関の高いビットコインにとってもセルインメイになってしまうのだろうか?

(出典:Coin360 日本時間5月2日18時00分時点)

ビットコインもセルインメイ?

既報の通り、4月初めにビットコインとS&P500の相関関係が過去最大になったことがマーケットで注目された。これまでは安全資産として注目されてきたビットコインだが、話が違うじゃないかというかとマーケット関係者には焦りが見える。

しかし、直近では両者の相関関係が低下し始めている。

クオンタムエコノミックス創業者のマティ・グリーンスパン氏は、5月2日配信のニュースレターの中で、「わずかだがデカップリング(価格の乖離)という勇気付けられる傾向が見られる」と指摘した。

(出典:Mati Greenspan「ビットコイン(オレンジ)とS&P500(青)の推移」)

4月中旬までビットコインとS&P500は相関関係が高い状態が続いていたが、とりわけ29日以上に両者がカップリングし始めている。

ただグリーンスパン氏は、慎重だ。まだ短期的な傾向に過ぎない可能性がある一方で、ビットコインが長期的な下降トレンドを脱していない点を指摘した、

(出典:Mati Greenspan「ビットコインの下降トレンドチャネル」)

イーサのガチホ勢 増加傾向

一方、時価総額2位のイーサを長期保有する投資家が増えているようだ。

ブロックチェーン分析企業グラスノードによると、4月25日時点までの過去6ヶ月以上動かされなかったイーサ(ETH)は供給量の77.76%を記録。今年1月1日の75.32%と比べて増加している。