有事の際の安全資産である金(ゴールド)が8年ぶりの高値をつける中、「デジタルゴールド」であるか仮想通貨ビットコイン(BTC)は冴えない動きが続いている。ビットコインはリスクオン資産である株価との相関が過去最高を記録したというレポートも出ており、新型コロナウイルスへの経済不安が収まらない中でビットコインが期待されている価値を発揮できるのか注目だ。

(出典:Coin360 日本時間4月14日19時30分時点)

金は4月13日、対ドルでは2012年12月ぶりに終値で1700ドル台に乗せた。一方でビットコインは過去24時間で2%ほどの上昇にとどまっている。

3月の仮想通貨市場暴落の際にビットコインや株価、金などほとんどの資産が揃って下がった。それ以降、ビットコインや金とリスク資産の価格でデカップリングが進むという見方も出ていた。

ただブロックチェーン分析を手がけるロングハッシュによると、ビットコインと米国の代表的な株価指数であるS&P500の相関関係が過去最高を記録。「デジタル・ゴールド」としてのビットコインの用途に疑問符がついたことになる。

(出典:LongHash 「ビットコインとS&P500の相関関係」)

今年の「宝物」は?ミンブルウィンブル銘柄が苦戦

仮想通貨市場全体がなかなか上り調子にならないが、年初来で急騰したニッチなアルトコインもある。

4月14日付のブロックチェーン分析メディア「メサーリ」によると、グーグルなどが関与する分散型台帳技術(DLT)プロジェクトのへデラ・ハッシュグラフ(HBAR)が年初来でみると仮想通貨の中でパフォーマンスがトップだった。213.57%のプラスを記録した。また、先週半減期を過ぎたばかりのビットコインSVも7位で100%近い上昇を記録した。

(出典:Messari「今年の仮想通貨トップ20(年初来)」)

一方、パフォーマンスが悪い仮想通貨として特筆すべきは、ミンブルウィンブルという匿名化とスケーリングの技術を使うビームとグリンだ。1年前にデビューした両コインだが、最近はプライバシーのモデルやインフレのスケジュールに関する懸念が高まっているという。

ビームとグリンは、年初来で50%ほどのマイナスを記録。それぞれワースト5位と4位となっている。

ちなみにビットコインは年初来で4.5%近くのマイナスとなっている。