2020年第3四半期に起きた、セキュリティ・トークンの強気の勢いが沈静化している。現在2ヶ月連続で40%以上も取引高が下落している。

8月に2200万ドルを記録して以来、月間のセキュリティ・トークンの取引高は9月には915万ドルに減少し、10月には527万ドルまで下落した。

セキュリティ・トークンの取引の98%が米eコマース大手のオーバーストック子会社tZEROのシステムで行われている。オーバーストック株主に「デジタル配当」を発行して、取引高を増やすという同社の計画は勢いを失っているようだ。

オーバーストックのセキュリティ・トークンであるOSTKOトークンは、セキュリティ・トークン全体の時価総額の50%を占めているが、10月にその価値の18%を失い、毎月の取引高は20%減少して約300万ドルとなった。OSTKOの時価総額は2億5200万ドルで、コインマーケットキャップによると、仮想通貨全体で53番目の時価総額となっている。

奇妙なことに、OSTKOトークンは10月に70ドルで取引を開始し、OSTK株より20%近く低い価格で取引された。しかし、OSTKOは10月末に57ドルで取引を終えており、これはオーバーストックの株価よりも1ドル高い価格だ。

10月のセキュリティ・トークンの取引量の減少の大部分は、取引量で2位となっているtZEROのTZROPトークンの市場で行われたもので、10月の取引量は215万ドルにとどまり、9月の529万ドルから60%減少した。トークンは10月、その価値の8%を失った。

1億8070万ドルの時価総額を持つTZROPは、仮想通貨全体では時価総額で65番目にランク付けされている。

(出典:STOマーケット

tZEROはこれまで、セキュリティ・トークンのセカンダリー市場を独占してきていた。しかし現在、セキュリティ・トークンの作成と発行を容易にするためのプラットフォームを構築する企業が増えてきている。

10月30日にはイグナム(Ignuim)がエクイティ・クラウドファンディングプラットフォームのファンドワイズと提携。中小企業がターゲットとして、トークン化されたクラウドファンディングサービスを開始した

また、SBIホールディングスはeスポーツ子会社がセキュリティ・トークンを使った第三者割当増資を実施すると発表している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン