デジタル証券(セキュリティトークン)プラットフォームを手がけるセキュリタイズは29日、プライマリー(発行)からセカンダリー(流通)に対応した私募市場プラットフォームであるセキュリタイズ・マーケット(Securitize Markets)の提供開始を発表した。未公開株に個人投資家も購入しやすくなれば、投資機会の拡大につながることになる。

提供は米国居住者向けで日本は対象外。

同プラットフォームではすべての投資商品がデジタル証券としてトークン化されている。まずはウォレット開発のエグソダス、非政府組織(NGO)などの資金調達をするロッタリー・ドット・コムなど8社の証券を取り扱う。

私募市場のオルタナティブ資産はこれまで、断片化されたサービスや煩雑な書類手続きが必要なために流動性が低いことが課題となっていた。しかしセキュリタイズ・マーケットでは、個⼈投資家や機関投資家を対象に、未上場企業の株式、不動産、ファンドなど、幅広いオルタナティブ資産へのワンストップでの投資・取引が可能となる。

リリースによると、「⾮上場企業による資⾦調達や株主管理、そしてスムーズな⼆次取引も可能」になるという。

現在は以前と比べてIPOまでの期間が長期化していることで、私募市場が拡大している。セキュリタイズは「現在、企業価値のほとんどはIPOのかなり前に⽣み出されており、IPOは創業者や初期投資家にとってのイクジットの機会として認識される」と指摘。

⼀⽅で個⼈投資家はIPO時点ではじめて参加できるが、IPO企業の80%近くはその後企業価値を落としているという。

そのため、セキュリタイズのカルロス・ドミンゴCEOは「アーリーステージの企業に投資することで富が⽣み出される」と主張。セキュリタイズ・マーケットによって多くの投資家にオルタナティブ資産の投資機会を提供できるとした。