米国証券取引委員会(SEC)は、3000万ドル(約33億円)相当規模の仮想通貨ポンジ・スキーム(投資詐欺)を停止させた。ポンジ・スキームは、出資者から集めた資金を運用・事業に利用せず、別の出資者の資金を配当などと偽って渡す形態で資金収集を続けるというもの。SECによる5月21日のプレスリリースで明らかになった。
告発対象となったのはポンジ・スキームを実行したとされるアーガイルコイン社のホセ・エンジェル・アマン代表。同氏はダイヤモンド製品の再カット・再販をうたう事業、また仮想通貨アーガイル(Argyle)コインで投資家から得た資金を使い込みポンジ・スキームを実行した。告訴されたのは、アマン氏の他に、アマン氏が所有する「ナチュラルダイヤモンド」と「イーグルフィナンシャルダイヤモンド」の2社、また協力したハロルド・シーゲル氏とジャナサン・H・シーゲル氏。
プレスリリースによると、アマン氏は、所有する2企業で未登録の証券の募集を2014年5月に開始しており、ダイヤモンドの再カット・再販売で利益が出せると、誤った説明を投資家に行っていたという。
また2017年10月、アマン氏とジャナサン・H・シーゲル氏は、投資家にアーガイルコインへの投資を呼びかけたという。アーガイルコインはダイヤモンドを裏付けとしており、投資家の資金を元に仮想通貨ビジネスとして発展させるため、投資リスクがないものと誤った主張を行っていた。
アマン氏、所有する2企業、アーガイルコインは、他の投資家への配当支払いほか、家の賃貸料、馬の購入費などアマン氏の私的支払いのため、投資家からの資金1000万ドル(約11億円)以上を誤用・流用した。 被害者数は、アーガイルコインだけでも米国とカナダで300人以上にのぼり、さらにアマン氏は、無許可の証券を数年間にわたり売却したと非難されているという。
SECのマイアミ地域事務所のディレクター、エリック・I・ブスティージョ氏は、「アマン氏は、継続的に個人投資家を略奪するため複雑な形態の詐欺企業およびサイトを運営し、ポンジ・スキームを永続させて自分自身の財産に転用した」述べた。また彼は次のように付け加えた。
「SECの入念な調査作業により、ポンジ・スキームが解明された。我々の目標は、被害を受けた投資家に正義をもたらすことだ。」
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版