分散型データストレージ「Sia(サイア)ネットワーク」を手掛けるネビュラス社は、2014年と15年に行ったトークンセールを巡り、米証券取引委員会(SEC)との間で和解に達した。ネビュラス側は、SECに対して計22万5000ドル(約2400万円)の罰金等を支払う。SECが1日に発表した。
今回の問題は、ネビュラスが2014年と15年に行ったトークンセールスを巡るものだ。SECは発表文の中で「委員会への登録が必要な証券を提供および販売した」と指摘し、ネビュラスが未登録でトークンを販売していたのが証券法違反に当たると判断した。
ネビュラスは14年に「サイアストック(Siastock)」を発行。これは所有者にサイアネットワークから生じる将来の利益の一部を約束するものだ。また15年には「サイアノーツ(SiaNotes)」を発行して販売した。
ネビュラスはこれらのトークン発行で、計12万ドルを調達していた。
今回のSECとの和解では、ネビュラスは12万ドルの不正利得とその利息分を支払うほか、8万ドルの罰金を支払うことになった。
EOSに比べて厳しい決定に「失望」
ネビュラスのザック・ハーバート最高執行責任者(COO)は、米メディア「ザ・ブロック」に対して、今回のSECの決定に対して「失望した」としつつ、サイアネットワークにとって前向きな決定だと強調した。
「SECが2014年のサイアファンズの提供で調達した資金のほぼ2倍にあたる罰金を科す選択をしたことに失望している。特にEOSに対する緩い扱いと比較するとだ。しかしこの和解はサイアにとって非常に前向きであると考えている。サイアコイン(Siacoins)に対してアクションを起こさないことを選択したことで、SSECはサイアの2トークンモデルを検証したと認識している。私たちは、サイアネットワークを急ピッチで構築及び改善し続ける」
SECは9月30日に、未登録のICOを行ったとして、仮想通貨EOSの開発企業ブロック・ワンに2400万ドル(約26億円)の罰金を科したと発表したばかりだ。
しかしEOSは昨年6月に完了したICOで41億ドル(約4430億円)を調達している。罰金額は、調達金額のわずか0.5%に過ぎない。この点がネビュラス側が「EOSに対する緩い扱い」と言っている点だろう。
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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版