米証券取引委員会(SEC)は10月16日、2024年度の検査重点事項を発表した。SECの検査局は、過去10年以上にわたり、同局が重点的に取り組む新たなリスクについて登録者に通知するために、同様の報告書を発表してきた。仮想通貨ディーラーブローカーもその対象となっている。
報告書によると、SECの検査局は2023年に、仮想通貨、フィンテック、人工知能、サイバーセキュリティに対応するため、能力を拡大し、各プログラム内にチームを設立した。また、SECは引き続き、仮想通貨で活動するブローカーディーラーやアドバイザーを注視している。
同局は、自動化された投資ツール、人工知能、取引アルゴリズムやプラットフォームなどの「特に、コンプライアンスやマーケティングの要求を満たすためのオンラインアカウントを提供する技術的・オンラインソリューションを提供する」登録者を調査していた。
検査では、登録者が顧客へのアドバイスや、登録者が提供する製品の理解に関する行動規範をどれだけ満たしているかを検証する。報告書は、高齢者投資家と退職資産を具体的に挙げている。また、登録者が最新のガイダンスに準拠していることも確認する。ここでは、「アドバイザー法に基づく保管要件」が指摘された。ブロックチェーンや分散台帳技術の使用に伴うリスクの取り扱いも評価される。
また、仮想資産証券の発行者をサービスする振替機関や、業務に新興技術を利用する振替機関の検査も別途言及されている。
Interesting to see that the SEC has identified prep for T+1 as an examination priority for brokers in 2024. The list is usually focused on things less plumbing-related, but it shows they're going to be getting the red pens out before May next year. #finreg pic.twitter.com/RsPnL6JZtq
— Virginie O'Shea (@virginieoshea) October 16, 2023
米証券取引委員会の検査局は、これまでにも検査の更新版を発表してきたが、これは新たな会計年度の開始時に発表された初めてのことだ。ディビジョン・ディレクターであるリチャード・ベスト氏は、次のように述べた。
「当局の検査重点事項を公開し続けることは、検査プログラムの透明性を高め、企業が小売投資家に潜在的なリスクの高い分野にコンプライアンスと監視の取り組みを集中させるよう促します。」
SECによると、検査重点事項は、前年度の検査スタッフのフィードバック、投資家、業界団体などの同様のソースからのフィードバックに基づいて決定される。