米証券取引委員会(SEC)は、バイナンスの米国法人であるバイナンスUSに対する訴訟で新たな文書を提出し、投資家の資金が危険にさらされていると主張した。
6月5日に提出された訴状では、バイナンスCEOのジャオ・チャンポン氏(通称CZ)やBAMマネジメント、BAMトレーディング、そしてバイナンスを含む被告が、「数十億ドルを蓄積しながら投資家の資産を著しいリスクに晒している」と規制当局は主張している。
また、被告は米国の規制監督を意図的に回避し、米国ユーザーに証券関連サービスを提供しているとされた。「バイナンスとジャオ氏の裁量によって、何十億ドルもの米国投資家の資本が危険にさらされた」と主張した。CNBCの報道によれば、SECが示した金額は最大で22億ドルに達する。
提出された文書では、バイナンスとバイナンスUSの両プラットフォームからの顧客資金が、CZ氏が支配する「メリットピークリミテッド」が運営する口座で「混在」している例が挙げられている。資金はその後、仮想通貨の購入と売却に「関連して」第三者に送金されたとされている。
規制当局によると、この仕組みはCZ氏にバイナンスUSプラットフォーム上で数十億ドルの預けられた資産を自由に操作する権限を与え、資産が適切に保護されるための監視やコントロールが存在しないとされている。
執筆時点で、バイナンスUSはプラットフォーム上のユーザー資金が「安全である」と述べ、SECの資産凍結試みに対抗している。
6月6日、米SECは、ユーザー資金の取り扱い不備と未登録の証券で運営していることを理由にバイナンスに対して差止命令の申請を行った。資産の凍結は、その申請に含まれた要求の一つだ。
バイナンスとコインベースに対する訴訟では、規制当局は少なくとも67種類の仮想通貨を証券としてラベル付けした。これにより、市場に流通するトークンの総額で1000億ドル以上が影響を受ける可能性がある。