米証券取引委員会(SEC)の仮想通貨タスクフォースは、ヘスター・ピアース委員の主導のもと、規制改正を検討する中でデジタル資産企業との協議を継続している。
4月24日の通知によると、SECのタスクフォースは、仮想通貨企業オンド・ファイナンスおよび法律事務所デイビス・ポーク&ワードウェルの代表者と面会し、「米国の上場証券をラップド・トークン化して発行・販売すること」について議論した。オンド・ファイナンスはドナルド・トランプの大統領就任基金に100万ドルを寄付しており、同法律事務所は4月22日、米大統領のSNS企業「トゥルース・ソーシャル」が仮想通貨関連のETFを立ち上げるにあたり、その代理を務めると発表している。
会合の要請によれば、オンド・ファイナンスは、トークン化証券の登録要件、金融法規制への準拠、さらには規制サンドボックスの立ち上げについて協議を行う意向だった。コインテレグラフは同社にコメントを求めたが、記事執筆時点では返答はなかった。
今回の面会は、元委員長ゲーリー・ゲンスラーの退任後、SEC仮想通貨タスクフォースが業界との対話を継続する一環となる。トランプ氏が指名した元SEC委員ポール・アトキンスが4月21日に就任宣誓を行い、新たな委員長として指揮を執っているが、まだ仮想通貨に関する政策方針を明確には打ち出していない。
新委員長のもとで業界との対話継続
SEC仮想通貨タスクフォースは、4月25日にカストディ(資産の保管)に関する円卓会議を開催する予定で、クラーケン、アンカレッジ・デジタルバンク、ウィズダムツリーなどの代表が出席する。2024年に仮想通貨ETFが承認されて以降、米国では金融機関によるデジタル資産カストディの需要が大きく伸びている。
アトキンス新委員長のもとでSECが仮想通貨の強制執行をどう進めていくかは明確ではない。SECは詐欺行為に関する訴訟は継続する方針を示している一方で、4月21日にはHex創設者リチャード・ハートに対する訴状を取り下げた。
SECはすでにリップル、コインベース、クラーケンなど多数の企業に対する調査・訴訟を打ち切ると発表している。これら3社はいずれも、トランプ氏の2024年選挙活動や就任基金への寄付、あるいは幹部による支援が確認されている。