米証券取引委員会(SEC)は20日、仮想通貨企業グラディウス・ネットワーク(Gladius Network)が未登録の有価証券を販売していたと発表した。グラディウスは昨年夏時点でSECにこの問題を自己申告し、SECに協力することを申し出ていた。SECはグラディウスに対して罰金などのペナルティーは課さないとしている。

グラディウスは2017年末にICOを実施し、1270万ドル(約14億円)を調達したという。これはSECがDAOの調査報告書の中で、ICOが証券の販売にあたる可能性があると警告した後に行われた。

SECは今回の発表で、グラディウスがそのトークンを登録しなかっとこと、またグラディウスのICOが「登録要件から免除を受ける対象ではない」と指摘している。

プレスリリースによれば、グラディウスは昨年夏にSECに対して自己申告を行った。SECは自己申告し、是正措置を取ったグラディウスに対して、罰金などの措置を取らないとしている。

「グラディウスは18年夏にSECに自己申告し、迅速な是正措置を取る意思を示し、調査に協力した。グラディウスがその行為を自己申告し、投資家への補償に同意し、トークンを有価証券として登録するとしたため、SECは罰を科さない」

グラディウスは1934年証券取引法に基づきトークンを証券として登録し、資金の返還を望む投資家に対してはその要求に応えるという。

SECのサイバー部門の責任者であるロバート・A・コーヘン氏は「今回の事例は、自己申告および未登録のオファリングを修正するために積極的に措置を講じることの利点を示すものだ」と発表の中で述べている。

SECは昨年11月、キャリアEQ社とパラゴン・コイン社が行った2つのICOに対して、未登録でICOを実施したとして、それぞれ25万ドルの罰金を科している。ICOで調達した資金も投資家に返還することとなった。

今回のグラディウスのケースは、自己申告で対応した企業がペナルティーを科されないことを示したこととなり、ほかの未登録ICOに対しても自己申告を促すことになる可能性もある。