米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は、SECがビットコイン現物上場投資信託(ETF)を承認しないことを「容認できない」とする議員からの書簡に返答した。

ゲンスラー委員長はミネソタ州下院議員トム・エマー氏に宛ての手紙の中で、SECが取引所法の基準による「不正行為や操作行為」を防止するため、米国でのビットコイン(BTC)現物ETFの承認は現状ではまだ不可能だとほのめかした。ただ、ゲンスラー委員長は技術的に中立であるとの姿勢を改めて示した上で、エマー氏が11月に現物ETFが承認されないことへの批判とその米国経済への影響については「慎重に検討する」とした。

ゲンスラー委員長は、エマー氏と仮想通貨推進派のダレン・ソト下院議員からの書簡に対応するのに3カ月以上かかった。2人はSECがビットコイン現物ETFを承認するよう主張し、ソト氏は仮想通貨を米国の「経済成長の原動力」と評価。「潜在的な利益を最大化し、あらゆるリスクを軽減するために、明確に規制することが極めて重要だ」と述べた。

エマー氏は11月、「仮想通貨規制に対するSECのアプローチは容認できない」と、書簡で述べている。「ビットコイン先物ETFの取引は、規制の明確化を求めてきた何百万人ものアメリカの投資家にとって大きな前進だが、ビットコイン現物ETFも取引を開始できないのは理にかなっていない」

一部の議員や業界リーダーが、SECの無策が米国の革新的な投資手段を妨げていると批判しているが、SECは金融機関からのビットコイン現物ETFの申請を承認していない。しかし、2021年8月にゲンスラー委員長が直接のエクスポージャーを通じてではなく、先物に基づくETFを受け入れることにオープンであることを示唆した後、多くの企業がSECに仮想通貨「戦略」ETF申請を提出した。その後、SECはヴァルキリー、プロシェアーズ、ヴァンエックのBTC先物にリンクしたETFを承認している。