スイスの仮想通貨対応銀行であるSEBAバンクの香港部門が、香港証券先物委員会(SFC)から仮想資産取引の原則的な承認を得た。
8月30日、SEBA香港は、この承認により、店頭デリバティブなどの仮想通貨製品の取り扱い、仮想資産に関するアドバイス、仮想資産の一任口座での資産管理が可能となると発表した。
SEBA香港のアジア太平洋地域CEOであるエイミー・ユウ氏は、香港がSFCの仮想資産規制フレームワークと法制度により大きな可能性を秘めているとコインテレグラフに語った。ユウ氏は、中国が仮想通貨取引を禁止している一方で、香港は中国本土に近く、中国の特別行政区であることから、「中国市場が開放された際には良好な位置にある」と述べた。「香港は再び中国へのゲートウェイとして機能し、仮想通貨とブロックチェーン技術の大きな可能性を引き出すかもしれない」とユウ氏は語った。
現地のライセンス取得について、ユウ氏は、SEBAが伝統的なプロバイダーを通じてデジタル資産を管理し、アクセスするのが難しいと感じている仮想通貨企業からの問い合わせを受けていると語った。さらに、個人の富裕層やファミリーオフィスからも関心が寄せられているという。
スイスでは、SEBAバンクは伝統的な銀行業務と仮想通貨サービス(取引、ステーキング、貸付、保管)の両方を提供している。
SEBAのライセンス取得は、香港での規制された仮想通貨活動が活発化する中で得られたものだ。仮想通貨取引所ハッシュキーは、香港で初めて規制をクリアした取引所で、8月28日にビットコイン(BTC)とイーサ(ETH)の個人投資家向け取引を開始したと報じられている。同社のOTC取引プラットフォームOSLもSFCから小売取引を提供するための承認を得ている。現在、ハッシュキーとOSLは香港で唯一の完全にライセンスを取得した取引所である。
しかし、この状況は近いうちに変わるかもしれない。8月11日には、香港仮想資産取引所(HKVAX)がSFCから仮想通貨取引プラットフォームの運営に原則的な承認を得ている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン