SBIホールディングスはスイスの仮想通貨(暗号資産)銀行のシグナム(Sygnum)と共同し、未上場株に投資するファンドを立ち上げる。日経新聞が報じた。主に仮想通貨やブロックチェーンを活用する企業に投資するという。

総額で2021年までに最大で70億円のファンド形成を目指す。

日経新聞によると、シンガポールや欧州のスタートアップを投資対象とし、STO(セキュリティ・トークン・オファリング)による資金調達を支援する。今後はブロックチェーンを使うことで、ファンドの持分を小口化し、個人投資家が投資できるようにするという。

シグナムは、2019年8月にスイス金融市場監督局(FINMA)から「デジタル資産銀行」のライセンスを取得し、デジタル資産の関連業務を手がけている。スイスで初めて仮想通貨関連企業としてブローカー・ディーラー登録された企業だ。また、2019年年11月にはシンガポールの金融当局から資産管理ライセンスを獲得した。資産を分割して複数のマネージャーに運用させる投資信託であるマルチマネージャーファンドなどを提供している。

今年5月にはスイスフランやユーロ、米ドルを預金することで、XRPの売買や保有が可能になったと発表した。

5月当時に、シグナム共同創業者のマティアス・インバック氏は、リップル社のXRPに対する取り組みを高く評価していた。

「リップル社に開発されたXRP基盤のソリューションは、世界7000億ドル(約75兆円)の送金市場の弱点を解決しようとしている。低コストの送金手段は新興国での支払いをよりスムーズにする理想的なツールだ」

SBIの北尾社長は今年6月にも、「国内初」とされる個人投資家向けの仮想通貨ファンドの提供開始を発表。匿名組合の形で設定し、ビットコインやイーサ(ETH)、XRPを運用するとしていた。