SBIホールディングスの北尾吉孝社長は31日に開かれた決算会見で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)について「これから一番大きく注目するもの」であるとの見方を示した。SBIレミットなど、国際送金事業を手がける北尾社長にとってはCBDCの各国の扱いは、やはり気になるようだ。
デジタル通貨についてはこれまでに、みずほフィナンシャルグループなどの「Jコイン」などが計画されている。しかしこれについては「やってもしょうがない」と一蹴した。
「Jコインはやってもしょうがない。中央銀行デジタル通貨が始まるから。そうしたらそれ(CBDC)に対応するため、欧米でも日本でも対処しなければいけない。」
国際送金に使われることを想定される通貨として、フェイスブックのリブラが昨年発表された。しかしその後各国から非難が続出。さらにリブラ協会から脱退する企業も相次いでいる。リブラは風前の灯火との印象もある中、「リブラが終わったら終わりではない」と発言。貿易金融の立場から今後の注目点としてCBDCに注目していくことを強調した。
「これからの一番の大きなものはCBDCだ。どこの国が立ち上げるか、どれだけ貿易金融に占めていくのか。遅れるわけにはいかない。」
として今後も注視していく姿勢を示した。
「IPO、役員会では出ていない」
さらに最近ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが今年のIPOを示唆した件についても触れた。
「リップルIPOはどうなるのか注目している。でも役員会では(話は)出ていない」
これについて、北尾CEOは「アメリカはゆるいのかな。僕ならそんな話はできないけどね。慎重な言い回しはしてたけどね。」と印象を話した。